商社におけるリスク管理と対策について

 2019.06.10  BizApp チャンネル編集部

皆さんは、「商社」という業種形態が日本特有のものであることをご存知でしたか?特に「総合商社」は海外では類を見ない存在であり、海外においても「Sogo Shosha」と呼ばれています。

商社とその他の業種の違いは、多彩な事業を展開し、豊富な商品を取り扱う点にあります。総合商社にいたっては数十の事業展開を行っている場合もあり、そのため一般的なメーカーや卸業とは違ったリスクが発生し、それに伴う徹底した管理業務も発生します。

そこで本稿では、商社におけるリスク管理と対策についてご紹介します。

商社が抱える15個のリスクとは?

商社は広範囲にわたった事業展開を行う性質上、さまざまなリスクにさらされています。特に海外が絡む場合には、そのリスクは拡大する傾向にあります。まずは、商社がどのようなリスクを抱えているのかを確認していきましょう。

1.ビジネスモデルに関するリスク

商社ではあらゆる事業を展開している一方で、あらゆるリスクにさらされる特徴があります。そのことから、世界経済や国内経済の影響を大きく受ける可能性があり、既存のビジネスモデル及び将来の財政状態、業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

2.市場リスク

商社が事業展開する各市場では、為替変動、金利、商品価格変動、株価変動による市場リスクがあります。

為替リスク

外貨建の取引においては常に為替変動リスクにさらされます。先物為替予約等を活用したヘッジ取引により、為替変動リスクを低減します。

金利リスク

投資活動や融資活動、営業取引に伴う資金調達や運用において金利変動リスクが常に発生します。金利変動リスクの定量化が問題を解決するポイントです。

商品価格リスク

商品価格は常に変動する可能性があるため、そのリスクも負うことになります。商品ごとの損失限度額を設定するなど、モニタリングと定期的なレビューが必要です。

株価変動リスク

商社は市場性の高いさまざまな株式を保有するため、株価変動のリスクがあります。株価変動に伴う影響を定期的に把握し、モニタリングする取り組みが必要です。

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3.信用リスク

商社では国内外の取引先に対して、営業債権や貸付金、補償その他の形で信用供与を行います。取引先の信用状況の悪化や経営破綻により、債券が回収不能になるかもしれない信用リスクが付きまといます。

4.カントリーリスク

特に総合商社は海外のさまざまな国や地域において取引及び事業活動を行うため、それらの国や地域の政治・経済・社会情勢が原因になり、予期せぬ事態や法令・規制の変更によって国家収用や送金停止などのカントリーリスクが生じます。

5.投資リスク

商社ではさまざまな投資活動を行っており、それらの投資活動では経営環境の変化、投資先やパートナーの業績停滞などに伴い、期待通りの収益が挙げられない投資リスクがあります。また、それらを原因として投資の回収可能性が低下したり、投資の一部または全部が損失となるリスクもあります。

6.固定資産の関するリスク

商社が保有する固定資産(不動産、工場、航空機、船舶など)は常に減損リスクにさらされています。必要な減損処理は常に実施するものの、さまざまな原因によって経済価値が低下し、更に必要な減損処理を実施して財政状況や業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

7.資金調達に関するリスク

商社では国内外の金融機関からの借入金及びコマーシャルペーパー、社債の発行によって事業に必要な資金を調達します。企業に対する格付けの大幅な引き下げなどによって信用力が低下した場合は、金融機関や投資家から希望する条件での資金調達ができなくなる可能性や、資金調達コストが増大するリスクがあります。

8.退職給付費用に関するリスク

退職給付費用及び退職給付責務は数理計算上の前提にもとづいて算出されます。しかし、前提条件を変更する必要性が生じた場合や、年金資産が損失した場合は、退職給付金の増額や年金資産の追加支出が必要になる可能性があり、これが財政状態や業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

9.繰延税金資産に関するリスク

タックスプランニングにおける課税所得の見積変動及び、タックスプランニングの変更あるいは税率変動等を含む税制の変更があった場合は、繰延税金資産が増減する可能性があります。

10.競合リスク

商社では多種多様な商品を取り扱っているため、他の総合商社や国内・海外のさまざまな企業と競合するリスクがあります。

11.重要訴訟等に関するリスク

将来的に、財政状態や業績に重要な影響を及ぼすおそれのある訴訟・仲裁やその他の法的手続きが発生する可能性があります。

12.法令・規制に関するリスク

国内外で多種多様な商品を取り扱っているため、該当する国や地域の法令・規則に違反するようなコンプライアンス問題が発生するリスクがあります。また、それらの法令・規則の変化に伴うリスクも存在します。

13.環境に関するリスク

商社が扱う商品が原因となって環境汚染等が生じた場合は、事業の停滞や停止、汚染除去費用や損害賠償費用等の発生、社会的評価の低下につながる可能性があります。

14.自然災害等に関するリスク

地震などの自然災害、新型インフルエンザなどの感染症が発生した場合に事業活動に影響を与える可能性があります。

15.情報セキュリティに関するリスク

第三者、または内部要因によって組織内で保管されている重要情報が外部に流出したり、情報が破損されたりするリスクがあります。

 

いかがでしょうか?上記の通り商社が抱えるリスクは非常に多岐にわたります。そのため、総合的観点からリスク管理を徹底し、かつリスクが発生しないための対策を実施する必要があります。

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商社のリスク管理及び対策とは

次に商社に必要な代表的なリスク管理及び対策をご紹介します。

  1. さまざまな市場リスクを低減するためにヘッジ取引を利用したり、金利変動をコントロールしたり、商品価格の監視を行う
  2. 国内外の取引先の信用を常に調査し、管理することで信用リスクによる貸倒などを回避する
  3. 総枠・国別の設定・国別の与信方針などを作成することでカントリーリスクを回避する
  4. 既存投資のモニタリングを定期的に行い、投資効率が低い投資に関しては資産の入れ替えなどによるリスク低減に努める
  5. 競合他社の存在を常にチェックし、市場における自社のポジション把握とコントロールを実施する
  6. コンプライアンス違反が発生しないよう、ガバナンスを徹底する
  7. 自然災害等によるリスクを低減するためにBCP(事業継続計画)を作成する
  8. 情報セキュリティに関するリスクが発生しないように、基本的なセキュリティ対策とセキュリティトレンドを常に把握する

これらのリスク管理や対策をグローバル規模で実施するために、最近ではクラウドERPが注目されています。ERP(Enterprise Resource Planning)とは、基幹系システムを統合した大規模製品であり、これをクラウドサービスで提供することによってグローバル環境でのシステム共有が可能になります。商社でのリスク管理を徹底する際は、ぜひクラウドERPであるDynamics 365をご検討ください。

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