テレワーク時代の営業管理に必要な視点とは

 2021.01.14  BizApp チャンネル編集部

新型コロナウイルスへの感染防止を背景に、対面での活動が主流だった営業職でも、テレワークの導入が本格化しています。テレワークは、移動時間の有効活用やオフィス運営コストの削減といったメリットがある反面、コミュニケーションやセキュリティの問題も生じます。そこで本記事では、テレワーク時代の営業管理に必要な視点を解説します。

テレワーク時代の営業管理に必要な視点とは

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テレワークが営業活動にも注目されている理由

「テレワーク」とは、ICT(情報通信技術)を活用し、会社のオフィス以外の場所で仕事をする働き方をいいます。テレワークを大きく分けると、自宅で働く「在宅勤務」、カフェやホテルなどで仕事をする「モバイルワーク」、会社の本拠地から離れた場所に設置された「サテライトオフィス」勤務の3種類があります。

2020年以降、新型コロナウイルスへの感染防止を目的に、全国的にテレワークが推奨されるようになりました。従来は対面での商談が基本であり、性質上テレワークに向かないとされていた営業活動も、いまや例外ではなくなっています。

なぜならテレワークが普及したことで、従業員の大半がオフィスを不在にしているケースも多く、顧客企業の担当者が捕まりにくい状況だからです。また、感染拡大を懸念し、折を見てのあいさつ周りや飛び込み営業、出張による見積もりなどを控える雰囲気も広がっています。

営業職にテレワークが本格導入されるようになったのは、感染拡大防止だけが理由ではありません。働く場所や時間の制約を受けなくなることで、様々なメリットが得られるからでもあります。

営業活動におけるテレワーク導入のメリットとは?

営業活動にテレワークを導入することで、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。

時間の効率化

テレワークでは通勤や取引先への移動、出張など、移動にかかる時間を短縮したり省略したりできるため、その分の時間を有効に使えるようになります。

従来では、一度オフィスに出勤してから取引先に向かい、外回りが終わったらオフィスに戻って事務作業を片付けるスタイルが一般的でした。しかし、テレワークならオフィスを経由せずに直行・直帰が可能です。移動の時間を資料作りや取引先とのコミュニケーションに充てられるため、営業成績のアップや、会社としての業績向上も期待できます。

作業に集中しやすい

会社のオフィスには、自分宛てではない電話にも応対しなければならなかったり、同僚に話しかけられたりと、作業を中断させられる要素が溢れています。その点、テレワークなら自分の仕事に集中して取り組めるため、生産性の向上が期待できます。

コスト削減

営業活動にテレワークを導入すると、オフィス運営にかかるランニングコストや社員の交通費など、様々な面からコストを削減できます。テレワークが浸透すれば、社員がオフィスで過ごす時間が減る分、必要なフロア面積も減ります。社員全員分のデスクを確保する必要がなくなれば、フリーアドレス化によってオフィスの縮小も可能になるでしょう。

さらに、書類をクラウドで共有することで、資料を印刷する機会が少なくなります。それによりコピー機の台数を削減できるほか、用紙代やインク代の節約も見込めるでしょう。

顧客満足度の向上

テレワークによる営業活動は、顧客側にとってもメリットがあります。例えば、接客する場所を気にしなくてよいため、会議室の予約やお茶の用意といった事前の準備が必要ありません。

さらに、不在しがちな上司や取引先の担当者とのスケジュール調整がしやすくなるほか、対面よりも必要な情報に絞って話を聞けることから、取引先としては商談を受けやすくなります。

また、Web会議ツールには画面やファイルを共有する機能が搭載されているため、商談で使う資料を事前に先方に送らずとも、その場で画面に映すことが可能です。商談の最中に自分では対処し切れない話題があった場合でも、オフィスにいるのであれば、担当者を呼んで代わりに説明してもらうこともできるでしょう。このように、持ち帰りや後日回答を削減できれば、顧客満足度の向上が見込めます。

人材の確保・定着につながる

テレワークによって働き方の選択肢が増え、働きやすい環境を提供できるようになると、人材確保がしやすくなります。郊外にサテライトオフィスを開設したり、在宅勤務OKにしたりすれば、遠方のエリアからも人材を採用することが可能です。

また、テレワークでは働く時間と場所を自由に設定できるため、育児・介護と仕事の両立を後押しする側面もあります。それにより、優秀な人材の離職を防止する効果も期待できるでしょう。

多様な働き方を実現

テレワークを導入すれば、時間や場所に縛られない多様な働き方が実現できます。ワークライフバランスを重視したい人にとって、柔軟性のある仕事のスタイルは魅力的です。いろいろな働き方の選択肢を選べるようにすることで、優秀な人材が集まりやすくなるでしょう。

テレワーク時の営業管理に必要な視点

テレワークによる営業活動を成功させるためには、頭に入れておくべきポイントがいくつかあります。具体的にはどのような点に気を付ければよいのでしょうか。

ICT環境の整備

テレワークでの営業活動を通常の業務と同じレベルで行うには、システムや通信設備などのICT環境を整える必要があります。会社で使っているパソコンのデスクトップを自宅のパソコンでも利用するためには、リモートアクセスの仕組みが有効です。

またコロナ禍においては、書類にハンコをもらうためだけに出社しなければならない、いわゆる「ハンコ出社」が問題となりましたが、営業活動にテレワークを導入するうえでは、書類のペーパーレス化も欠かせません。ファイルをスムーズに共有するために、クラウドサービスの導入も求められます。

通信費の負担

テレワークで仕事をするとなると、通信費を自己負担しなければならなくなります。特にWeb会議ツールを多く使用する場合は、データ消費量が増えるのはやむを得ません。

そこで会社には、Web会議に対応したパソコンやWi-Fiルーターを貸し出すことで、環境整備にかかる費用を負担したり、一定額を通信回線費として支給したりするなどの対処が求められます。

コミュニケーション対策

テレワークでは、同僚や取引先の担当者と直接顔を合わせる機会が少なくなることから、コミュニケーションが不足しやすいというデメリットがあります。そのため、業務連絡や進捗状況の報告などは、オフィス勤務よりも念入りに行わなければなりません。コミュニケーションツールやWeb会議ツールを活用し、定期的に状況を報告し合う場を設けることが肝心です。

セキュリティについて

テレワークにおいては、セキュリティ確保の重要性が高まります。機密情報や重要な資料をオフィス外に持ち出すことになるため、情報漏洩や不正アクセス、改ざんなどのリスクが懸念されるからです。

そうした問題を防ぐためには、パソコンやネットワークのセキュリティ強度を見直すことに加え、社員に対してデータの取り扱いに関する教育を徹底することが大切です。「事前に決められた情報だけを記録する」「データは長時間同じ端末に保存しない」など、運用に際してルールを設定し、営業部内で共有するとよいでしょう。

営業パーソンのマネジメント

テレワークでは、社員一人ひとりが自分の裁量で仕事を進めなければなりません。社員をマネジメントする立場の人間としては、一人ひとりの働きぶりが見えないがゆえに、勤務態度や業務の進捗、顧客対応などの把握が困難です。取引先との間で問題が起きた際にも、すぐにフォローに入ることが難しくなります。そこで、テレワーク環境下でも社員を適切にマネジメントできる体制の整備が欠かせません。

テレワークで営業管理に活用したいツール

ここからは、テレワークでの営業管理に役立つツールをご紹介します。

ビジネスチャットツール

チャットツールは、社員同士や取引先間でのリアルタイムなやり取りを可能にします。電話やメールよりも気軽に使えるうえ、ちょっとした質問もしやすいのが、ビジネスチャットのメリットです。やり取りのログも残るため、必要な情報を「伝えた」「知らされてない」といったトラブルも回避できるでしょう。

個人間でのやり取りだけでなく、複数人によるグループチャットも作成可能です。そのほか、重要度の高いタスクを登録しておいたり、アップロードしたファイルを共有したりといったこともできます。

顧客管理・営業進捗ツール

営業職は成果を数値化できるため、テレワーク下であっても比較的評価対応がしやすい職種といえます。とはいえ、業務のプロセスが把握できない点は、ほかの職種と何ら変わりません。メンバーの進捗状況が分からなければ、その月の売上目標を達成できるかどうか見通しも立てられなくなってしまうでしょう。

そうした問題を解決するには、「SFA営業支援ツール)」や「CRM(顧客情報管理ツール)」の活用が有効です。SFAは顧客管理売上予測、案件管理、スケジュール管理、見積もり管理といった機能を備えています。SFAを導入すれば、テレワーク下であっても社員の働きぶりを可視化できるようになります。

またCRMは、購買履歴や顧客の反応などを管理できるため、営業計画を立てるうえでも役に立ちます。中にはSFAとCRM双方の機能を兼ね備えたツールもあり、クラウド上で情報を扱うことから、情報共有もスムーズです。

オンライン商談システム

「オンライン商談システム」とは、商談に特化して開発されたツールです。事前にURLを通知しておけば特別な準備もいらないため、商談相手はネットにつながるパソコンを用意するだけで、簡単にオンライン商談に臨めます。

必要な資料を商談相手と共有することもできますし、必要であればアジェンダなどを表示しながら商談を進めることも可能です。さらに、商談の様子を録画する機能を使えば、ほかのメンバーが後に参考にできるので、営業スキルの属人化を防ぎ、ノウハウを蓄積してくことにもつながるでしょう。

まとめ

営業活動にテレワークを導入すると、移動時間を有効に使えるようになるほか、オフィス勤務よりも業務に集中できるようになります。その一方、関係者とのコミュニケーションが不足するリスクも生じます。チャットツールやオンライン商談システムを活用し、密に連絡を取り合うことが、テレワークでの営業活動を成功させる鍵といえるでしょう。


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