【セミナーレポート】顧客起点で再設計する「営業現場の働き方改革」

 2018.09.20  Dynamics 365編集部

顧客主義が叫ばれて久しいですが、それを実現するために様々な壁に直面している企業も多いようです。一方で、AIと最先端のテクノロジーを組み合わせることによって、お客様に本当に喜ばれるビジネスへと導き、ブランド認知を引き上げ、成果を上げている企業も存在します。

では、両者の違いはどのようなところから生まれるのでしょうか。そして、営業現場ではどのような改革が必要なのでしょうか。このようなテーマを掲げ、日本マイクロソフトは9月6日に「顧客起点で再設計する「営業現場の働き方改革」」と題したセミナーを開催しました。

「AIの民主化」

まず、「AI必須?いま求められる営業変革とは」と題して、日本マイクロソフト株式会社Dynamicsビジネス本部 兼城ハナ氏が登壇しました。

兼城氏は、すべてのビジネスがデジタル化されているといってもよい時代に、営業スタイルだけ変わらないほうが不自然だと切り出します。そして、単にデジタル化するだけではなく、あらゆる場面で聞くようになったAIの恩恵をきちんと受けることが重要であると説きます。

日本は先進国で労働生産性が最低だという数字は良く見聞きするでしょう。しかし、日本の企業も生産性向上のための投資は行ってきています。外資系のIT企業では日本は米国に次ぐ世界2位の市場として扱われており、市場の大きさが投資の大きさを表しているからです。

しかし、投資をしているにも関わらず成果を感じられていないのも事実です。

基幹システムに関するお役立ち資料

ここで、兼城氏はショッキングな数字を挙げます。たとえば、マイクロソフトの調査によると、「営業担当者の時間の70%は営業活動以外に費やされている」「導入企業の85%がSFA,CRMが売上拡大に貢献しないと回答している」といったものです。

せっかく投資を行っているに、なぜこのような結果になってしまうのでしょうか。

それは顧客の視点での投資になっていないからだと兼城氏は続けます。デジタル化の進展により、顧客は以前にも増して事前に様々な情報を簡単に得られるようになりました。営業担当者に会う前に、70%の検討プロセスが終わっているというデータもあります。つまり、顧客が営業担当者に求めるのは、一般的な製品情報などではなく、自社にとってのソリューションとしての価値なのです。

そのため、営業担当者が顧客に提供しなければならないのは、顧客ごとの課題や要件に沿った価値提案なのです。

ではこれをどのように実現するのでしょうか。営業担当者が日常最も多く使用しているアプリケーションはOutlookなどのメールアプリケーションです。ここに顧客情報が自動的にひも付けられていたらどうでしょうか。顧客との連絡手段に、顧客情報や履歴などが表示されれば、そのタイミングで必要な提案をより的確に行えるようになるでしょう。

兼城氏は、実際にマイクロソフトの社内事例を引き合いに、一人当たりの売上高の推移、つまり企業としての生産性の推移とともに、営業活動における改革の実績を紹介しました。

これは、メールの内容や連絡の間隔などから、提案のリコメンドなどもAIを組み合わせることで可能になります。AIは大上段に構えるものではなく、身近にあって気づかないうちにその恩恵を受けるものなのです。これをマイクロソフトでは「AIの民主化」と呼んでいます。

マイクロソフトはグローバルでも並居る企業や研究機関に並び、AIへの投資を積極的に行っています。その実績をもとに、より「民主化」を進めていく確かな手ごたえを確認してセッションを締めくくりました。

すでに変革は始まっている

続いて登壇したのは、株式会社日立ソリューションズ 産業イノベーション事業部 カスタマーエンゲージメントソリューション部 主任技師 江角忠士氏です。江角氏は、「普及期に入ったAI活用による営業活動効率化」と題して、より具体的な事例やシナリオについて紹介を始めます。

その前に、具体的な事例が出てきた背景として、市場の変化、労働環境の変化、ITやデバイスの普及の3つを挙げました。また日本におけるAIへの期待として「労働力のサポート」が米国に比べ高いと言います。やはり、働き方改革と生産性の向上という文脈での期待値が高いようです。

営業活動におけるAI活用のシナリオとして、まず挙げられたのはリコメンドです。たとえば、1週間前に連絡した顧客へのフォローのリコメンドや、やり取りに含まれるキーワードから案件化できる可能性が高そうな顧客をリコメンドし、アクションを喚起するというものです。さらに、過去の類似案件からよりよい提案内容や、顧客からの質問に対してもナレッジから回答をリコメンドすることも可能です。これにより、調べる時間を節約しながら、より質の高い情報を提供できるようになるでしょう。

次に紹介するのが、フィールドサービスなどの場面でのAIの活用です。たとえば顧客が所有している機器の型番や個体番号をスマートフォンやタブレットで写真を撮ることにより、それをOCRで読み込み、その個体に関する情報などを検索して表示することができます。これにより、現場での素早く適切な対応を可能にします。これまでは一度状況を確認しに行き、後日対応するなどということも珍しくないなかで、画期的な対応を可能にすると言えるでしょう。

最後に紹介したのは、店舗でのAIの活用です。その例としてパン屋でのオペレーションの事例を紹介します。パンには様々な種類と、その種類ごとに多くの原料が使用されています。これを写真で撮影することにより、パンの種類を認識し、含まれているアレルゲン情報を表示したり、個体差が大きい場合には見本との大きさや見栄えの違いなどを管理して品質の均一化を行うことなどに活用されます。

このように、AIはすでに身近な場面で活用が始まっています。そしてそれを可能にし、価値をもたらすために、顧客に関する情報や商品に関する情報との連携が欠かせません。そのために、Dynamics 365をデータ管理基盤として活用し、これらのシナリオを実現しているとして、基盤との連携を強調して江角氏のセッションは終了しました。

まとめ

以上のように、本セミナーでは営業や顧客対応の場面によるAIの活用をテーマに、その事例を中心にいまの状況が語られました。そこで共通しているのは、「すでに活用は現実的に可能である」ということと「それは身近なところで活用されている」ということでしょう。AI活用は特別なものではなく、これまでのプロセスに「ちょい足し」されて活用が始まっていて、大きな成果を上げているのです。

これを実現するためには、同時にデータの活用が不可欠です。マイクロソフトではAzureという共通のプラット―フォームの上に、トランザクションデータを扱うDynamics 365、コミュニケーションを扱うOffice 365、そしてAzure上で利用できるAIやIoTのプラットフォームを共通の基盤として提供しています。ぜひこのような視点で営業改革とDynamics 365のメリットについてご検討ください。

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