CRM/SFA

製造業における意外と身近な課題、営業力を伸ばすポイント

製造業の課題と聞くと、製造現場におけるものを思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし製造現場以外にも課題は多く残されています。その部門の一つが顧客と最も近い位置にいる“営業”です。

現代のモノづくり業界では「良いモノを作っただけでは売れない」という言葉をよく耳にします。今の日本には良いモノが溢れていますし、顧客のニーズは多様化する一方です。そのため、ただ高品質はモノを製造するのではなく、いかにして売るかという点の重要性が増しているのです。

ということは、営業の“決定力”や“効率化”が企業の競合優位性を生み出すための武器になることは確かです。そこで今回は、製造業における営業の課題を整理しつつ、それを解決するためのITソリューションについてご紹介します。

CRMの利用実態と課題

製造業における営業の課題

一口に営業といっても、製造業では色々な営業の形があります。新規顧客をターゲットにした完全なアウトバウンド営業や、既存顧客への対応とアップセルやクロスセルを行うルート営業などです。異なる営業スタイルでも共通していえる課題は「営業プロセスやタスクの属人化」でしょう。

属人化とは特定の人しかその物事について理解していない状況を指し、つまり各営業担当者がどういった営業プロセスを実行し、タスクを持っているのかが可視化できていない状況を指します。こうした環境では主に次のような問題が発生します。

  • 営業担当者ごとの業務プロセスやタスクを適切に評価できない
  • 受注予測が営業担当者ごとの感性に依存してしまう
  • 成功事例も失敗事例も共有できず営業全体のスキルが上がらない

これらの問題は製造業にとって致命的なものばかりです。営業力がビジネス成功の重要な要素である現代において、営業プロセスやタスクの可視化はできず、受注予測は不確かなもので、営業全体のスキルが一向に上がらないのですから企業としての成長もあり得ません。

こうした課題や課題から発生する問題は、多くの国産製造業が抱えているものと言っても過言ではありません。逆を言えばこの課題を解決することで営業に高い決定力を生み出し、良いモノを作るだけでなく売れる企業に成長することができるでしょう。

営業課題の解決方法とは?

製造業における営業課題の原因は、その多くが営業活動に関する様々な情報を可視化できていないことにあります。

営業担当ごとの営業プロセスやタスクをハッキリと可視化できれば適切な評価やアドバイスが行えますし、案件情報を適切に管理できれて受注予測を客観的に判断できます。さらに、成功事例と失敗事例が部内に蓄積していくのでそこから企業ごとのベストプラクティスを導き出すことも可能です。つまり“可視化”こそが営業課題を解決するためのキーポイントになります。

営業情報の広範囲な可視化のためには“SFA(Sales Force Automation)”を導入している企業が多いでしょう。営業支援システムと呼ばれるSFAは、営業活動を効率的に行ったり、営業情報を可視化するための業務システムです。

そもそもSFAが誕生した背景には、属人化している営業情報を企業資産として蓄積するということがあります。SFAが誕生した米国では人材が流動的であり、キャリアアップのために転職することは当たり前です。そうした中で、自社営業担当者が所持する顧客情報をしっかりと企業の資産として蓄積するという目的でSFAが誕生しました。

現在ではこれに加えて営業活動を効率良く実行するという目的が加えられ、SFAには様々な機能が搭載されています。なので製造業における営業課題を解決するための方法としてSFAを真っ先に思い浮かべる方は多いでしょう。

ただしそのSFAですら製造業での営業課題を解決できないことがあります。

製造業とクラウドERP

製造業の営業課題を解決するための方法としてSFAは正しい選択です。SFAを導入し営業情報が自然と蓄積されるようなシステムを構築できれば、営業プロセスやタスクを可視化したり、客観的な受注予測が行えるようになります。

ただし、SFAは営業活動のみの情報蓄積および可視化ということを認識する必要があります。

例えば製造業においては、在庫の状況確認や配送処理の伝達、納期回答など多くの情報を考慮しながら営業活動を行う必要があります。もちろん企業として見積もり作成のみならず請求処理なども必要です。

つまりSFAのみですと真の効率化や営業支援に限界がきてしまうということになります。

そこで新たな選択肢として生まれたのがクラウドビジネス管理システムです。経営活動に欠かせない基幹システムの数々を統合した製品であり、これをクラウドサービスとして提供するのがクラウドビジネス管理システムの本質です。

例えばクラウドビジネス管理システムであるMicrosoft Dynamics 365ではSFAだけでなくCRM(Customer Relationship Management)や生産管理システム、あるいは財務会計システムなどあらゆる基幹システムが相互に連携しており、単体システムでは実現できなかったレベルでのデータ処理を実現します。もちろん、データ処理のためのBIであるPowerBIも統合されているので、別途分析基盤を用意する必要はありません。

「CRMとSFAの違いを解説!」の記事で詳しく調べてみましょう!

インターネット接続環境さえあればいつでも導入できます。

Microsoft Dynamics 365を導入することで、製造業の営業は次のような変革を得られます。

  • 営業担当者ごとの営業プロセスやタスクを可視化できる
  • 営業案件ごとにプロジェクトを立て、プロセスやタスクを管理できる
  • SFAに入力したデータや生産管理システムから得られるデータをBIで分析し、客観的な受注予測情報が得られる
  • マーケティングツールを活用することで今アプローチすべき顧客が浮かび上がる
  • 顧客のニーズを育てるために様々なマーケティング施策を展開できる
  • 成功事例と失敗事例をドキュメントとして管理しベストプラクティスを得られる
  • 見積りから受注請求まで一貫したビジネスプロセスを管理できる
  • 在庫の引き当てや物流指示までシームレスに統合できる

こうした変革をもたらすことができれば、製造業の営業に高い決定力を生み出し、ビジネスを大きく成長させることができます。

マイクロソフトDynamics 365

数あるクラウドERPの中でも、ビジネスに大きなインパクトをもたらす製品がマイクロソフトの“Dynamics 365”です。Dynamics 365は次のようなアプリケーションで構成されています。

  • セールス(営業支援)
  • カスタマーサービス(顧客管理)
  • フィールドサービス
  • タレント(人事管理)
  • ファイナンス&オペレーション(経理&運用管理)
  • リテール(Eコマース)
  • プロジェクトサービスオートメーション(プロジェクト管理)
  • マーケティング
  • AI(人工知能)

これらのアプリケーションはすべて経営活動の大部分を効率化したり、様々な経営課題を解決するために存在しています。Dynamics 365を採用する利点は多く、その中でも注目されるのがマイクロソフト社製品との連携です。

ビジネスの定番ツールともいえるExcelやPowerPointなどのOfficeアプリケーションはDynamics 365と連携することで、より快適に使用することができます。たとえばExcel Onlineを活用して営業担当者の活動状況やタスクをリアルタイムに共有したり、Dynamics 365から得られたデータをそのままExcelに落とし込んで分析することも可能です。

この他、ダッシュボードで営業実績やプロセスを可視化したり、アラート機能によって営業の取りこぼしを無くしたりと様々なシーンで高い効果を発揮します。

さらに、Dynamics 365は製造業で強力なサポートを提供する機能も搭載しているため、IoTやAI活用によってスマートファクトリーの実現なども可能です。Dynamics 365は製造業において、営業だけでなく製造現場での効率ももたらすITソリューションですので、営業課題解決の際はぜひDynamics 365の導入をご検討ください。

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