中小企業がSFA導入で失敗しないポイントを解説

 2019.05.16  Dynamics 365編集部

昨今、ビジネスの成功とITのかかわりは深く、適切なIT基盤を構築することがビジネスの成功に繋がることは誰もが認識していることでしょう。中小企業においても、財務会計システムや販売管理システムなどの基幹系システム(経営上不可欠なIT基盤)や、組織内のコミュニケーションを活発にするためのコラボレーションソフトウェアなどを導入するのが当たり前になっています。

そして近年、その「当たり前」の仲間入りを果たしているのがSFA(Sales Force Automation:営業支援)システムです。しかし多くの中小企業は、営業活動はExcelさえあれば完結できるものとして、SFAシステムを「自社には無駄なシステム」と考えているケースも見受けられます。果たしてそうでしょうか?

本稿では、SFAシステムの重要性について説くとともに、SFAシステム導入で失敗しないためのポイントについて解説します。

SFAシステムはなぜ重要なのか?

中小企業がSFAシステムに対して持っているイメージは様々でしょう。中でも多いのは「営業担当者の勤怠管理」や「日報作業を効率良くする」などのイメージです。しかし、実際にSFAシステムがなぜ重要とされているかは、これらのイメージと大きく乖離しています。

SFAシステムの本質は「情報資産の集約と見える化」にあります。それこそがSFAシステムを導入する意義であり、多くの営業課題を解決する糸口になります。

SFAシステム誕生の背景

SFAシステムが誕生したのは1990年代の米国です。当時、米国企業の多くは「顧客情報を資産として蓄積できない」ことに頭を抱えていました。米国は人材の流動性が日本の数倍なので、営業担当者がいつ転職・離職するかの予測は付きませんし、労働者が日本のような生涯雇用制度の魅力を感じていません。

基幹システムに関するお役立ち資料

従って、長年勤めた営業担当者でもある日突然転職することは珍しくなく、その度に営業担当者が抱えている顧客情報を失ってしまうことになります。そこで誕生したのがSFAシステムであり、これまで個別管理されていた顧客情報をSFAシステムに入力させることで、たとえ営業担当者が転職しても顧客情報が資産として蓄積されます。

現在では「顧客情報活用」がメイン

現代ビジネスにおいて、SFAシステムは顧客情報の蓄積よりも「顧客情報の活用」に利点を見出すようになり、そのための機能が充実していきます。顧客情報は営業担当者ごとに属人管理されるものではなく、営業部署全体、組織全体で管理されるものになり、営業活動の効率化を図ることはもちろん、商談やマーケティングを組織的・戦略的に進めていくのに大きく貢献します。

つまり、SFAシステムとは今や売上拡大や利益率の向上、販売戦略や経営戦略などあらゆるシーンにとって必要な情報を集約し、活用するためのIT基盤として重要視されているのです。

SFAシステム導入は失敗しやすい…?

SFAシステムの重要性は高いとはいえ、1つ問題があります。それが「SFAシステム導入は失敗しやすい」という問題です。SFAシステム自体、複雑なもので導入に専門的知識や技術が必要というわけではないのですが、特に中小企業では失敗しやすい傾向にあります。その理由を確認していきましょう。

1.営業担当者の抵抗感

SFAシステムは営業活動における情報系システムですので、そのユーザーは当然ながら営業担当者になります。しかし多くの営業担当者は「自分が持つ顧客情報を共有目的でシステムに入力する」ということに、強い抵抗感を示します。部署というチームで活動していても、個人の業績が人事評価やキャリアに影響することを考えれば、顧客情報を独占したいと考えるのは仕方ありません。問題は、そうした営業担当者の抵抗感を無視してSFAシステム導入を決行し、半ば無理矢理にシステム入力をさせることです。そうした導入したSFAシステムが機能するかどうか、結果は明白ですね。

2.仕事量増加で本来の意義を失う

営業担当者にとってのコアタイム(利益に直結する時間)とは「顧客とコミュニケーションを取っている時間」です。従って、SFAシステム導入によってそのコアタイムを阻害するのではなく、延ばさなくては意味がありません。しかし、SFAシステム初期は仕事量の増加を余儀なくされ、かつそれ以降も業務効率化が進まないことで本末転倒な事態になってしまいます。

3.SFAシステム導入の目的が不明確

SFAシステム導入において重要なことは「導入目的を明確にし、共有する」です。特に注意が必要なのは「取引先や競合他社もSFAシステムを導入して成功しているし、自社でもぜひ取り組んでみよう!」と導入に踏み切った企業です。SFAシステムの導入目的が曖昧だと、どの製品を導入すればよいかが分かりませんし、導入後の適切な運用もできなくなってしまいます。

4.不要な機能ばかりで使いにくい

近年のSFAシステムは多機能化が進み、マーケティング機能が組み込まれたものや分析ツールが統合されたものなど、「何でもできるSFAシステム」が存在します。しかし、それらの機能がSFAシステムの導入目的とマッチしていないと、たとえ多機能でも自社にとって不要な機能ばかりになり、使いにくいシステムを導入する結果になります。

5.情報収集後もそれを使いこなせない

SFAシステムの本質は「情報資産の集約」と説明しましたが、重要なのはその「先」であり、集約した情報資産を活用してこと意味があります。しかし、SFAシステムを導入して情報資産の集約に成功したのはよいものの、活用までこぎつけていない企業は多数存在します。

いかがでしょうか?SFAシステム導入に失敗する理由はたくさんありますが、いずれの理由もSFAシステムに起因するのではなく、導入する企業に起因するものが多くなっています。従って、SFAシステム導入では失敗しないためのポイントをしっかりと抑えた上で、正しい導入・運用を目指すことが肝要です。

SFAシステム導入に失敗しないためのポイント

最後に上記で確認したSFAシステム導入の失敗理由を踏まえて、導入に失敗しないためのポイントについてご紹介します。これらのポイントをしっかりと押さえて、正しいSFAシステムの導入・運用を目指していただければ幸いです。

  1. SFAシステム導入の目的を「必ず」明確にする
  2. 営業部署に限らず他部署でも導入目的を共有する
  3. SFAシステムの導入意義を営業担当者に説明する
  4. その上で営業担当者にとってのメリットを説明する
  5. SFAシステム導入にあたってアンケートを実施する
  6. アンケート結果から導入に対する不安を明確にする
  7. 可能な範囲で導入に対する負担を解消する
  8. SFAシステム導入後の業務効率化について検討する
  9. 具体的な業務効率化計画を立て・実行する
  10. 業務をSFAシステムに合わせることを検討する
  11. 営業活動における現状課題を明確にする
  12. 現状課題からSFAシステムに期待する効果と必要な機能を定義する
  13. 複数のSFAシステムをピックアップして機能比較を行う
  14. SFAシステムにかけられる予算限度額を決める
  15. その範囲内で導入・運用できるSFAシステムを選ぶ
  16. 将来的な拡張性を考慮してクラウド型のSFAシステムを検討する
  17. 海外事業に取り組んでいる場合は海外製品も検討する
  18. SFAシステムで集約した情報資産をどう活かすのか検討する
  19. 具体的な情報資産活用計画を立てる
  20. SFAシステム導入を支援するビジネスパートナーを選出する
  21. ビジネスパートナーと共に1つのチームとしてSFAシステム導入に取り組む
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