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営業プロセスを標準化して営業力を強化!標準化の目的やその意義とは?

会社の営業力を強化するには、過去の経験や精神論にもとづいた営業プロセスを続けるのではなく、定量データから得た論理的な情報から体系立てられた営業プロセスを構築し、合理的なアプローチが欠かせません。その中心となるのが、営業プロセスの分析と標準化です。本記事では、営業プロセスを標準化することの目的や意義をご紹介します。営業部署に課題を感じている、売上が思うように上昇しないという方が、課題をクリアするためのヒントを見つけていただければ幸いです。

営業プロセスを標準化して営業力を強化!標準化の目的やその意義とは?
CRMの利用実態と課題

そもそも、営業プロセスとは?

営業プロセスとは見込み客との最初の設定から、契約に至るまでの工程全体を指しています。段階的に説明しますと、見込み客創出⇒アポイント⇒案件化⇒ヒアリング⇒提案⇒商談⇒成約⇒受注⇒契約、といった具合です。ただし、この営業プロセスは取り扱っている商品やサービス、商習慣などによって企業ごとに異なります。

また、営業プロセスは見込み客と係わるものだけでなく、見込み客に提案するための資料作りやアポイント作業なども含みます。この営業プロセスを標準化するとはどういうことなのでしょうか?

営業プロセスの現状と標準化

日本の昔ながらの営業プロセスといえば、見込み客リストを作成して端からアポイントを取り、少しでも話を聞いてもらえるようならば足を運んで製品カタログ等を配布し、大量の案件母数の中から1~5%程度の商談化に至るというものです。そこにあるのが営業担当者本人やその上長、営業マネージャーの経験則や勘、根性論からくるものです。しかし、そうした営業プロセスが通用しなくなっていることは、皆さん自身が日々痛感していることでしょう。

そこで必要になるのが、営業プロセスの定量分析と標準化です。営業プロセス全体を経験則や根性論などの定性面で進めるのではなく、営業プロセス全体をデータで可視化した上で定量分析を行い、営業の勝ちパターンなどを発見します。その上で、パターンに沿った営業プロセスを組み立て、それを営業部署全体で共有できる状態にするのが標準化です。

営業担当者全員を優秀にする

ビジネスには2:8の法則という有名な話があります。営業担当者全体のうち2割の人間が8割の売上を創出する、2割の人間や良く働き8割の人間はどこかでさぼっているなどの法則のことです。実際に営業部署を見渡してみると、2:8に近い割合で何らかの格差が生まれていることに気が付くかと思います。

この法則に則るとすべての営業担当者を優秀にすることはできないと結論付ける方が多いかもしれません。しかし、現実には2:8の法則を当てはまらない場合もあります。例えば、世界有数の大企業に勤めている営業担当者は全員が優秀だからこそ、そこで働き続けることができます。もちろん優秀な中にも優劣はあるのでしょうが、一般論を当てはめれば全員優秀なのです。

他社でも可能ならば、もちろん皆さんが務める会社でもすべての営業担当者を優秀にすることはできます。そこに大企業か中小企業かの差は関係ありません。では何が違うのか?標準化を実施しているか否かです。

オーソドックスな営業プロセス標準化

では、営業担当者全員を優秀にするにはどうすればよいのか?最もオーソドックスな方法は、トップ営業担当者の営業プロセスを定量的に分析し、勝ちパターンを把握した上で標準化に取り組み、すべての営業担当者がトップと同じように行動できる営業プロセスを体系的に作り上げることです。

現在一流と言われているスポーツ選手や芸術家等は、最初は自身が憧れていた選手や芸術家などを必ずと言ってよいほど模倣しながら成長しています。他人の真似をすることは、それを自分のオリジナルとすると周囲から批判の対象になりますが、成長の一環として模倣するのは最良の選択です。

そのためにはトップ営業担当者の営業プロセスをつぶさに観察することと、本人の協力も必要です。また、営業部署全体に体系的な営業プロセスを構築することの理解を得ることも大切です。

営業プロセス標準化のポイント

ポイント1. 顧客と業務への理解を深める

営業部署ごとに最適な営業プロセスを構築するには、顧客と業務への理解が欠かせません。理解が不十分な営業担当者が営業プロセス標準化に沿って行動しても、実態に即さない活動を続けてしまい一向に成長できません。

まず、顧客の理解というのは自社製品・サービスを買う顧にはどんな人・企業がいるのか?彼らが抱えている共通の課題、個別の課題とは何か?製品・サービスの提供を通じてどのように課題が解決されるのか?顧客は満足しているのか?不満はないか?など、細かい部分まで顧客視点に立った理解が必要になります。

そして業務プロセスへの理解というのは、自社製品・サービスがどのような道を辿って顧客に提供されているのか?顧客に至るまでの経路は何か?営業プロセスごとに生まれる付加価値は何か?を考えます。

ポイント2. 各工程の定義を明確にする

営業プロセス全体はいくつかの工程に分けられます。大切なことは、営業担当者全員が各工程を同じように認識することです。例えばクロージングが示す範囲の認識が営業担当者ごとに異なってしまうと、せっかく標準化した営業プロセスも上手くフィットしなくなります。

構築した営業プロセスの各工程はどこからどこの範囲を示すのか?これを明確にしておくことで、営業担当者全員が共通の認識を持って標準化された営業プロセスに取り組むことが可能です。

ポイント3. 営業プロセスを細分化しない

いきなり手の込んだ営業プロセス標準化を実施してしまうと、短期間で挫折する可能性が大きいでしょう。組み立てた営業プロセスと標準化を定着させるためには、まず誰もが取り組める環境を整え、徐々に具体的な営業プロセスに落とし込んでいくことです。

そのためには営業プロセスを必要以上に細分化せずに、営業プロセス全体像をとらえやすくします。営業プロセスとしてはちょっと荒い工程だなと感じても、まずは運用を始めてください。運用後に修正することは難しくないので、営業担当者全員の状況を鑑みながら営業プロセスの細分化を実施していきます。

営業を個人技からチームプレーへ

現時点で、営業担当者個人の活動に売上が依存しているようならば、今後ビジネスが低迷する恐れがあります。多くの企業は個人技の営業からチームプレーへと移行しており、組織的な営業プロセスを構築しています。その方法はさまざまですが、組織的な営業プロセスの利点は情報共有を積極的に行いながら見込み客の商談ステージを可視化し、効率的な営業プロセスを展開できることです。そこに必要なのがやはり標準化になります。今まで個人技を重視していた企業では、これを機にチームプレーを重視した営業プロセスに着目してください。特に、売上低迷などの課題を抱えている企業の場合はリームプレーに移行することで現状を打破し、売上拡大に向けた営業プロセスを構築できる可能性が高いでしょう。

いかがでしょうか?まだ営業プロセス標準化に取り組んでいないという方は、この機会に標準化による新しい営業プロセス構築を検討しましょう。

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