顧客を囲い込む戦略とは?その方法とメリットについて

 2020.03.24  BizApp チャンネル編集部

顧客を囲い込む戦略。消費者視点から考えると何だか企業都合で顧客のことを考えていないようにも捉えられる言葉ですが、企業が安定した利益を確保するために当たり前のように展開されているビジネス戦略です。また、囲い込み戦略では当然のことながら顧客の利益を優先しながら展開するものがほとんどなので、決して企業都合ではないのがポイントです。本記事では、顧客の買い込み戦略として具体的に何をすればよいのか?どんなメリットがあるのか?などをご紹介します。

顧客を囲い込む戦略とは

顧客の囲い込み戦略とは?

皆さんは、新規顧客を獲得するのにどれくらいのコストがかかるかをご存じでしょうか?一般的には既存顧客を維持するコストの約5倍かかると言われています(フレデリック・F・ライクヘルドの1:5の法則より)。

考えてみれば至極当然のことです。たとえばデジタルマーケティングを通じて新しい顧客を獲得するにはリスティング広告等で資料請求や問い合わせといったCV(コンバージョン)を獲得し、案件かした後に営業担当者がアプローチをかけてやっと新規顧客が獲得できます。一方、既存顧客に継続的に購入してもらうのにゼロからマーケティング施策を展開する必要はありませんし、アップセルやクロスセルも実施できます。

さらに、フレデリック・F・ライクヘルドの5:25の法則では顧客離れを5%改善すると、利益が最低でも25%改善するとも言われています。既存顧客の維持は、コストと利益の両面から見ても新規顧客を獲得するよりも重要な位置づけにあると考えてよいでしょう。ちなみにこれらの法則はモノやサービスが溢れている現代ビジネスにおいて言えることなので、10年20年前のビジネス感覚で考えてしまうと当てはまらなくなるので注意しましょう。

総じて言えることは、既存顧客の流出を防ぎできる限り長く自社ビジネスと係わってもらうための囲い込み戦略が必要になるということです。取引期間の長さは経営の安定化と利益の増加に直結します。利益拡大を狙っている企業は新規顧客獲得に注力するよりも、真っ先に既存顧客維持を実現する囲い込み戦略を検討すべきなのです。

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具体的な囲い込み戦略の種類

既存顧客を維持するためにはさまざまな囲い込み戦略があります。その代表的な戦略がポイントカードの発行でしょう。皆さんも普段何気なく使っているであろうポイントカードはそもそも囲い込み戦略の一環として始まった制度です。

大きく分けると自社発行ポイントカードと共通ポイントカードがあり、全社は店舗や企業独自に展開するポイントカードのことです。電子的にポイントを加算するタイプもあれば、スタンプを押してポイントを加算するタイプもありますね。

そして共通ポイントカードとはTポイントや楽天ポイントに代表されるポイント制度であり、加盟店にて共通のカードでポイントが溜まります。共通ポイントカードを導入する利点は、導入や運営に特別なコストや労力がかからないことと、大手ブランドネームを活用して既存顧客維持に繋げられる点です。一方、自社発行ポイントカードは独自のポイント制度を展開でいるため、戦略次第でより強力な顧客囲い込みが可能になります。

この他にも、さまざまな囲い込み戦略があります。

セット購入による割引

スマホ業界等でよく見られるのが、あれとこれとをセットで購入すると月々〇〇円安くなりますよ、という戦略です。サブスクリプションタイプのビジネスを展開する企業では、より多くの製品・サービスを購入されるよりも、長く継続して購入・利用されることの方が重要です。セット購入による割引を提供すれば継続利用する可能性が高くなり、結果として顧客の囲い込みに成功します。

スマートフォンアプリとの連携

最近ではスマートフォンアプリとの連携によって囲い込み戦略を展開する事例が増えています。たとえば無印良品が提供するMUJI Passportというアプリは、無印店舗に入店するだけでマイレージが溜まるプログラムや、アプリ上での在庫検索といった付加価値を消費者に提供しています。アプリを利用するだけで楽しく無印での買い物が行えることから、広範囲な囲い込みに成功している事例です。

積極的なイベント開催

コアな顧客に向けて積極的にイベントを開催するのも買い込み戦略として有効でしょう。企業売り上げの8割は全体の2割の顧客によって創出されていると言いますから、その2割の顧客を対象にしたイベントを開催することでコアな顧客層を維持できます。

会員限定グッズなどの販売

会員でないと買えないグッズ、提供されないサービスを展開すると顧客は会員であることをステータスと感じ、より継続的に企業と繋がりを持とうとします。例えば航空会社のマイレージプログラムは加算されたマイレージに応じてランク分けがされ、使用できるラウンジが異なるという囲い込み戦略を展開するのが一般的です。

顧客囲い込み戦略のメリットとは?

顧客の囲い込みとは、長期的な関係性を築くという意味でもあります。では、顧客囲い込み戦略を展開することで企業にはどのようなメリットがあるのでしょうか?

メリット1. 安定した収益を確保

顧客買い込み戦略の最大のメリットはやはり、安定した収益性を確保できることでしょう。定期的に商品を購入、サービスを利用してくれれば継続的な収益に繋がり、安定したビジネスを展開できます。ビジネスの安定性というのは、企業の精神安定や新しい事業拡大に欠かせないポイントです。

メリット2. 新規顧客獲得にとらわれない戦略

収益が安定すると新規顧客獲得に躍起にならないのもメリットです。もちろん、収益母数を増やすために新規顧客獲得を展開することは大切ですが、それ以上に既存顧客の離脱を防ぎ足元を固めることが大切です。もちろん、既存顧客を維持するためにも企業努力は欠かせないものの、前述のように新規顧客獲得の1/5のコストで済むため、余裕を持った事業展開が可能になります。そうした安定的な環境があるからこそ、新規顧客獲得においても戦略的に物事を進められるわけです。

メリット3. 顧客データの蓄積と分析

顧客囲い込み戦略では、ポイントカードやさまざまな施策を通じて顧客データを広い範囲で収集できるメリットがあります。昨今、顧客のことを理解するためにはデータが欠かせず、囲い込み戦略によって顧客データの蓄積が実現すれば、分析活動もずっと楽になります。たとえばGoogleは世界中のネットユーザーに多様なサービスを無料で提供する代わりに、膨大な利用データを収集したAI開発や革新的な製品・サービス開発へと活用しています。これも一種の囲い込み戦略が生んだ新しいビジネス価値です。

顧客囲い込み戦略を考えよう!

いかがでしょうか?顧客囲い込み戦略によって企業が得られるメリットは大きく、施策によっては顧客にも利益があるため互いの関係性を深めることにもつながります。ただし、慎重に戦略を組み立てなければ自社の経営状況を圧迫する可能性も考えられますのでご注意ください。この機会にぜひ、自社の顧客囲い込み戦略を検討してみましょう。

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