ERPの成功の定義とは?

 2019.03.28  Dynamics 365編集部

物事において「何が成功か?」という定義は人によって違います。これはERP導入でも同じことです。ERPを導入する背景や目的は三社三様であり、従って何をもって成功なのかも企業によって違います。しかしながら、一般的な基準というのは何事にも存在し、ERPとて例外ではありません。

本稿では判断が難しい「ERPの成功の定義」についてお話します。

ERP導入の目的を整理

まずはERPを導入する企業がどういった目的を持って導入に取り組んでいるのかを整理してみましょう。

ビッグデータ等、情報活用を促進したい

2014年頃から「ビッグデータ」というワードが注目を集め、データ分析を中心としてビジネスに高い関心が集まっています。ちなみにビッグデータとは膨大かつ種類に富み、入出力が高速なデータ(Wikipediaビッグデータ)のことです。現代社会では中小企業でもビッグデータを保有し、分析環境さえ整っていればデータ分析を中心としたビジネスを実現できると言われています。

しかしながら、ビッグデータ活用では基本プロセスである「データ収集」でつまずく企業が多数存在します。その原因が「分断化されたシステム環境」です。データ分析では各システムが持つデータを収集し、加工し、分析する必要があります。

ただしシステムごとのマスターデータが異なっていたりすると、データ収集の手間がかなり膨れ上がってしまうのです。一方でERPがある環境では各システムのデータは単一データベースで管理されているため、データ分析の手間を大幅に省くことができます。

部門間の連携を強めて「全社最適化」を実現したい

日本企業はこれまでシステムの部門最適化を進めてきた結果、部門間の連携を弱め、壁を作るという悪い環境を生み出しています。これは企業規模が大きくなるほど深刻であり、部門間の連携が不十分なことで業務効率が低下したり、様々なトラブルを生む原因になっています。

部門間の連携を強められるのもERPの利点の1つです。すべてのシステムが連携しているためデータの受け渡しがスムーズであり、システムアプローチから部門間連携を強めることができます。

内部統制(ガバナンス)を強化してコンプライアンスの維持をしたい

近年あらゆる企業に求められているのが「内部統制の強化」です。これにはシステム面での管理能力を高めることが重要とされていますが、従来の分断化されたシステム環境ではそれが難しい傾向にありました。

基幹システムに関するお役立ち資料

ERPは各基幹系システムを統合するだけでなく内部統制の強化にも効果的です。ERPがあると各基幹系システムや他のシステムの情報はすべて一元管理され、かつ情報の透明性が強まります。各システムで生まれるログはすべて一元的に管理できるため、コンプライアンス維持に最適です。

さらにセキュリティポリシーをシステム全体に適用したりと、効率良く内部統制を強化することができます。

経営意思決定を素早くして競合他社に負けない経営スピードを手に入れたい

ERP導入によってビッグデータ活用が促進すると経営意思決定を下すための材料を素早く提出できるようになります。特にBI(Business Intelligence:ビジネスインテリジェンス)ツールを組み込んだERPでは、データの収集から分析まですべて自動的に行い、経営者が欲しい情報を欲しい時に取得できる環境が整います。

これによって競合他社に負けない経営スピードを手にし、それを自社の強みとして競合優位性を手にすることが可能です。

顧客サポート体制を強化して満足度を向上したい

商談管理、顧客管理、在庫管理、フィールドサービス、クレーム対応等これらの要素を統合することで、今までにない顧客サポートを構築できます。たとえば販売情報が在庫情報に即座に反映されるシステムがあれば、在庫管理データの信頼性の高いデータとして参照し、顧客への納期返答を迅速に行えます。

さらに顧客情報を蓄積することでフィールドサービスやクレーム対応を最適化し、企業に対する信頼性や顧客満足度は向上することでしょう。

システム全体の一元管理でTCOコストを削減したい

一企業が保有するITシステム環境はここ数年で複雑化の一途をたどっています。経営者がITに対して抱く不安は年々増加するTCOコストです。そんな不安に反して企業のIT環境は今後も複雑なものになっていくでしょう。クラウドや仮想化技術の進歩により、多くの経営課題を解決できるようになった反面、ITシステムの肥大化や複雑化が加速していきます。

システム運用にかかるコストを多く占めているのが運用に関わる人件費です。データバックアップ、アップデート、システムメンテナンス、情報収集など情報システムが実行すべき業務は山積みになっています。

そこでERPを導入することでシステム環境を一元的に管理し、TCOコストと運用負荷を同時に削減することが可能です。

以上がERP導入の目的です。シンプルに考えれば、これらの目的を達成したときが「ERP導入の成功」だと言えます。

ERP導入成功とはどういうことか?

ERPは主にバックグラウンドで稼働する大規模なシステム環境です。その範囲は経理部門、営業・販売部門、人事部門、生産現場、そして経営側など多岐にわたります。しかしながら、これらの部門においてERP導入直後に何らかの効果が目に見えて現れるとは限りません。

たとえば営業部門ではERPの導入によってSFA(営業支援システム)が適用されると、従来の業務プロセスに加えてシステム入力が増えるので、一見して業務効率が下がったように思います。またプロセスが変更したことで不満が出る可能性もあります。

しかしながら営業担当者が継続的に情報を蓄積していくことで、将来的な顧客対応を大幅に効率化させたり、SFAに記録した顧客情報を企画開発部門やマーケティング部門が参照し、革新的な商品・サービスやマーケティング施策を展開できる可能性が高まります。

つまり、個別視点で見ると大きな効果はなくとも組織全体で見れば多大な効果を発揮しているということもあります。つまりERPは個別最適化から全体最適へと向かう一つの転換期と言えるのでしょう。

ですのでいずれかの部門において「データ入力の手間が省けるようになった」「情報取得のスピードが早くなった」「受注から納品までの期間がいつの間にか短縮されてた「会社の財務状況がリアルタイムで確認できるようになった」といった効果を実感することができたらひとまず成功だと言えます。

ただし、部門によってはERP導入による負担が集中している可能性があるため、継続的に全社最適化の視点を持ってERPを運用していくことが大切です。ERPは組織全体で活用するためのシステムであり、それはつまり各部門・各従業員が全社最適化の意識を持ってシステムを利用しないと意味がありません。

そのため、経営層で財務状況を把握できるようになったからといって部門ユーザーの利便性を損ねているようでは、ERP導入による本当の効果を得ることは難しいでしょう。

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ERP導入成功の基準を作る!

ERP導入の成功を知るためにおすすめしたいのが、導入段階で成功の基準を作っておくことです。たとえば「○○業務において従来の工数を50%削減できた」といったように、具体的な数値で基準を作ります。そうすればERP導入後にその効果を正確に判断できますし、成功か否かの判断も行いやすくなります。

もしも期待した効果が得られなくても早々に失敗と決めつけるのではなく、運用方法を再検討してERPによる全社最適化を目指していきましょう。

導入事例:日系企業海外展開、短期間ERP導入、ERP/CRM連携

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