タレントマネジメント導入によるメリット

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 2017.08.07  Dynamics 365編集部

“タレントマネジメント”という言葉を耳にするようになってから既に数年が経過しますが、このタレントマネジメントを企業の人事管理として導入している企業は、どれくらいいるでしょうか。

人事領域の研究・調査を目的として2012年に設立されたHR総研の調査によると、2016年時点でタレントマネジメントを導入している企業は13%。導入を検討しているという企業も13%としています。

引用:人事系システムに関する調査【5】タレントマネジメントシステム

タレントマネジメントの認知度が高まってからしばらく経ちますが、導入率はまだ多くありません。その理由はやはり、タレントマネジメントを導入することでの効果が見えづらいということでしょう。

企業において「人」「物」「金」が重要であるとは言うものの、人事管理は直接利益に貢献することが見えづらく、その効果を実感しづらいという問題があります。

どうしても日本企業の場合、営業部門などが“実戦部隊”として注目される傾向にあり人事部門というのはあまり注目されない傾向にあります。しかし、現在ではそうした風潮も徐々に消え去り、少しずつですが人事管理の重要性が認識されています。

今回は、タレントマネジメントを導入することでどのようなメリットがあるのかについて紹介します。

タレントマネジメントとは何を管理するのか

まずは、そもそもタレントマネジメントは何を管理対象とするのか、というところから整理しましょう。

従来の人事管理と言えば組織内の従業員の基本情報(氏名、年齢、住所、経歴、配属)や、給与管理を行うのが通常業務だと言えます。

では、タレントマネジメントを導入することで、どんな管理対象が増えるのでしょうか。今までの人事給与管理と何が違うのでしょうか。

第一にタレントマネジメントでは従業員一人一人の“タレント”を管理します。タレントとは日本語で「才能、資質、能力」という意味があります。「才能や資質を管理する」ではピンと来ないので「スキルを管理する」と言い換えてみましょう。

つまり営業部門のAさんという従業員は何ができて何ができないのか、どんな事が得意なのか、あるいは所持している資格など、従業員一人一人のスキルを情報として管理します。さらに、組織内で行ってきたどのプロジェクトに配置され、どう貢献してきたなど、社内での活躍を管理する場合もあるでしょう。

第二に、人材開発を行い、従業員のスキルアップができるような教育環境を管理します。教育と聞けば新入社員教育をイメージする方が多いでしょうが、タレントマネジメントではその対象が広く、新入社員はもちろん中堅やベテランといった従業員も対象です。

そして最後に、プロジェクト管理をします。タレントマネジメントで管理している人材情報は、活用してこそのものです。その活用方法とはプロジェクトごとに最適な人材を導入することで、これもタレントマネジメントの役割となります。

タレントマネジメントの大まかな説明は以上ですが、一応、米国人材開発機構(ASTD)によるタレントマネジメントの定義を掲載しておきます。

“タレントマネジメントとは、事業目的と整合の取れた人材の獲得・開発・適材配置のプロセスを通じて、組織文化・組織とメンバーのつながり・才能や能力・組織と個人の潜在能力をつくりあげることによって、組織が短期および長期の両方の成果を獲得することを可能にしようとする、全体論的な人的資本最適化の取組みである。”

ASTD(www.astdjapan.com/米国astdとは/)

ASTDによる定義は少し分かりづらい部分も多いので、概要としてはここで説明したタレントマネジメントを念頭に置いておくといいかと思います。

タレントマネジメントを導入するメリット

タレントマネジメントを導入する主なメリットは、人材の適材適所、従業員のモチベーション維持、適正な評価環境などです。

タレントマネジメントを導入すると人事部門はこれまで以上に経営に絡んでいくことになります。プロジェクト発足時は人事部門が人材選定を行うので責任重大です。しかし、従業員一人一人にスキルを管理していれば、適材適所を実現することができ、円滑なプロジェクト進行を支援することができます。

こうした視点で考えれば、人事という仕事へのやりがいも新たに生まれるので、従業員のモチベーション維持にもつながるでしょう。

また、タレントマネジメントを導入する際に最も大切なのが“適正な評価環境”です。従来の人材評価といえば、個々人の実績などを見て、数字だけで評価を下していることが少なくありませんでした。しかし実際は数字に表れない実績などもあり、適正な評価環境を築けていたとは考えにくいでしょう。

だからこそ、多くの人材が「自分は正しく評価されていない」と感じ、組織を去っていきます。

タレントマネジメントを導入した場合、人材評価をするのは主に現場責任者です。そのための評価環境として、責任者がシステム上で評価を行い、人事がそれを管理できるような環境が必要になります。

しかしこうした評価環境を整えられれば、不当な評価を受けていると感じる従業員も少なくなり、離職率の低下など、結果として企業に高いメリットをもたらします。

日本のタレントマネジメントと海外のタレントマネジメント

導入することで様々なメリットがあるタレントマネジメント。しかし、そのメリットをしっかりと享受できていない場合があります。それが、日本のタレントマネジメントと海外のタレントマネジメントを、同じように考えてしまっている場合です。

そもそもタレントマネジメントという管理手法自体が国外から来たものなので、最初は海外の管理手法をそのまま採用してみます。しかし、そもそも海外の商習慣と、日本の商習慣では異なる点が多すぎます。

例えば海外のビジネスでは人材が流動的で、皆が“転職”ということに肯定的です。自分にとってプラスだと思うなら、給与が増すなら、どんどん転職しろという風潮があります。しかし日本では、いくらキャリアアップのためとはいえ、“転職は悪”といった風潮がまだ残っています。

このためか、日本企業ではキャリアのある新たな人材獲得が難しく、社内人材のスキル開発に重点を置かなければならないという違いがあるのです。

タレントマネジメントを導入する際は、まずこうした日本と海外の違いを明確に知った上で、日本企業としての特徴を捉え、タレントマネジメントの理想の形を考えてください。でなければ、率先してタレントマネジメントを導入していった先人達のように、効果の出ないタレントマネジメントを実施してしまう可能性があるでしょう。

本稿により、少しでも多くの方が正しいタレントマネジメントを理解し、導入成功していただけば幸いです。

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