貿易管理システムとは?導入メリットについて紹介

 2021.01.29  BizApp チャンネル編集部

貿易管理システムは、貿易に関するさまざまな業務を自動化し、業務効率化を図るシステムとして多くの企業で利用されています。これから導入を検討する場合、どのような機能があり、どのような効果が得られるのか疑問に思う企業担当者も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、貿易管理システムの概要や機能、導入のメリットについて詳しく解説していきます。

貿易管理システムとは?導入メリットについて紹介

貿易管理システムとは

輸入・輸出業務において効率化を図る重要なポイントは貿易管理です。貿易業務には、見積管理、受注管理、発注管理、仕入管理、外国送金、為替予約、三国間契約、入金管理など、さまざまな業務が存在します。とくに通関業者や税関のような、多くの関係者が関与する業務の流れは複雑です。生産性を最大化するためには、こうした輸出入管理や通関業務をいかに効率化するという視点が重要といえます。

貿易管理システムとは、輸出入における管理業務を支援するITソリューションです。たとえば、船積書類の作成や輸出入業務の支援、複雑な通関業務のサポートなど、貿易に関するさまざまな業務を自動化・効率化します。また、輸出入管理だけでなく、販売管理や財務会計といった基幹業務のデジタル管理も可能です。貿易管理システムは、さまざまな貿易業務を統括的に管理するソリューションとして、多くの企業で導入が進んでいます。

貿易管理システムの機能

貿易管理システムは主に輸出業務、輸入業務、三国間業務をシステム管理し、業務効率向上に貢献します。ここからは、貿易管理システムが輸出・輸入・三国間貿易において、どのような役割を果たすのかについて見ていきましょう。

輸出業務に関する機能

法令や規制を踏まえながら、輸出に関するあらゆる業務を効率化するのが貿易管理システムです。たとえば、顧客からの受注情報をデータ管理し、その内容に基づいて見積書や契約書といった必要書類を作成します。出荷に必要となる送り状や梱包明細書なども作成可能です。こうした受発注業務だけでなく、仕入管理や在庫管理、売上管理や支払い管理、外国送金や為替予約など、幅広い業務の効率化に貢献します。貿易管理システムは、欠品や返品といったクレーム処理や、海外取引先への債権・債務などの情報管理も可能です。その他にも、L/C接受、買取依頼、為替予約、デビクレ、オーダー照会、データ出力、管理帳票出力などにも対応しています。

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輸入業務に関する機能

輸入業務を円滑に進めるためには、国内の輸入関係規制法令に対する遵法対応が必要です。貿易管理システムはデータベースとしての機能を有しているため、輸入前に貨物が国内法令の規制対象か否かを確認できます。それによって、輸入業務に関する確実な遵法管理が可能となるでしょう。こうした法務分野に関して確実な対応ができるのが、貿易管理システムの大きなメリットです。

輸入業は輸出業者との交渉や、商品代金の決済で関わる銀行との取引が主な業務です。また、輸入の際に通関手続きや貨物受取を代行する通関業者や、税関のような公的機関と関わる業務も発生します。貿易管理システムは輸出企業との売買契約や契約情報を取りまとめ、発注管理や仕入れ管理業務を効率化します。貿易において不可欠な信用状(L/C)の開設や外国送金、為替予約といった会計・財務の業務領域のサポートも可能です。

三国間業務に関する機能

貿易の自由化とIT技術の進化・発展も相まって、世界中のさまざまな企業が貿易取引を行っています。そして、ASEANでの貿易自由化が進み、中小企業でも三国間貿易をする機会が増加しました。輸出業者と輸入業者の間に第3国の仲介業者が入って取引を行う3国間貿易は、輸出業者、輸入業者、仲介業者それぞれにメリットがある貿易形態です。たとえば、仲介業者を間に挟むことで交渉の手間を省くことが可能になり、取引実績の少ない輸入者からの代金回収リスクを防ぐといったメリットがあります。

しかし、三国間貿易は取引相手が増える分、二者間での取引と比べて取引進捗の確認が困難です。貿易管理システムを導入することで、三国間契約や三国間船積など、三国間貿易に関する業務を効率化します。また、代金の回収ができなかった場合のリスク回避に利用される、信用状(L/C)の開設、接受、買取といった機能も備えています。貿易業務をシステム管理することで進捗が可視化され、スムーズな取引が可能となるでしょう。

貿易管理システム導入メリット

貿易管理システムの導入によって得られるメリットは2つあります。それが「貿易業務の属人化防止」と「業務データの一元管理」です。ここでは、貿易管理システムを導入することで得られる2つのメリットについて詳しく解説します。

貿易業務を標準化し属人化を打破

貿易管理システムを導入することで得られる1つ目のメリットは「貿易業務の属人化防止」です。業務の属人化とは、特定のスキルや知識をもつ従業員がいなければ、業務の遂行が困難になる状況を指します。業務の属人化は貿易業界だけでなく、日本国内の多くの企業が抱えている問題です。人口の減少と少子高齢化が進み、さまざまな業界で人材不足が叫ばれています。また、終身雇用制度の崩壊と働き方の多様化も相まって、人材の入れ替わりが激しくなり、ベテランのスキルや知識の継承が困難になりました。つまり、多くの企業が人材不足に陥っており、それによって業務の属人化が生じているといえます。

とくに貿易業界は業務内容の幅が広く複雑です。商品の受発注、輸出入管理、必要書類作成、船積み手配、通関手配、取引先との折衝、外国為替及び外国貿易法など、習得しなければならないことが多く、人材教育に多くと手間と費用を要します。こうした課題を解決へと導くのが、貿易管理システムの導入です。貿易管理システムとは、その名の通り貿易業務のサポートに特化したITソリューションです。さまざまな輸出入業務をシステム管理することで標準化し、労働生産性の最大化を実現します。

貿易に関するデータの一元管理

貿易管理システムを導入することで得られる2つ目のメリットは「業務データの一元管理」です。貿易業務に関わる基幹情報をデジタル化して一元管理することで、業務フローが可視化されます。貿易に関するあらゆる取引データを統合的に管理できれば、定量的な分析に基づいた論理的な事業戦略を構築できるでしょう。輸出管理、輸入管理、通関管理、財務会計管理、顧客管理、人材管理など、幅広く複雑な業務を一元管理することで、スムーズな情報の共有も実現します。各部門でのシームレスな情報共有が可能になり、組織全体の業務効率向上につながるでしょう。

国境を越えた事業展開を行う貿易は、言語や文化の違いという壁が存在します。言語や文化の違いはトラブルを招く原因になります。また、海外に支部を設ける場合は、現地の法律に則った事業展開を行うのはもちろん、通貨も異なるので決算処理も為替レートを逐次確認しなければなりません。そのため、各国の法規制、会計制度、言語などに対応したシステムの導入が不可欠です。したがって、貿易管理システムを導入する際は、現地の財務会計制度に対応しているかどうかを確認する必要があります。グローバルな貿易事業を展開するためには、現地の会計制度に準拠した貿易管理システムの導入は必須です。適切なシステムを導入することは、本社と海外拠点の業務データを一元管理し、国境を超えたグローバル戦略の最適化につながるでしょう。

まとめ

貿易の自由化とIT技術の発展に伴い、企業のグローバル化はさらに加速するでしょう。貿易管理システムは、貿易業務における基幹情報を一元管理し、業務を標準化することで組織全体の生産性向上を実現します。貿易事業の拡大、あるいは新規参入を計画している企業にとって、貿易管理システムは有力なツールといえます。


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