ERP

販売管理システムのシェアからみる市場トレンド

販売管理システムを導入する上で市場トレンドを把握しておくことは大変有効的です。どういった製品が中心となり導入されているのか、そこには様々な理由があり自社導入成功のためのヒントが見つかるかもしれません。

現在提供されている販売管理システムの多くは、その適用範囲を仕入・入庫・在庫・販売・出庫・配送・顧客など大きく広げています。つまり、販売管理システムを導入することで効果が表れるのは何も販売業務だけではないのです。

こうした適用範囲の拡大は様々なメリットを生み出しますが、同時に製品選定の難しさも発生します。販売業務などの最適化を図るための販売管理システムが、逆に業務を阻害してしまうといった失敗事例も少なくありません。

今回は販売管理システム導入失敗を回避するためにも、皆さんに販売管理システムの市場トレンドを紹介していきたいと思います。

ERP導入で失敗する8つの理由と回避策

販売管理システムはERPの一部として利用している企業が多い?

IT市場を専門とし独自の調査を行っているノークリサーチのレポート(2016年中堅・中小企業における販売・仕入・在庫管理システムの導入社数シェアとユーザ評価)によると、販売管理システムをERP(エンタープライズリソースプランニング)の一部として導入している企業が8.7%と以外にも高い結果を示しています。

オープンソースをベースとした独自開発が6.1%、完全なスクラッチ開発は12.2%となりERP導入率の高さが伺えますね。

ERPとは販売管理システムをはじめ営業支援システムや会計管理システムなど重要な業務システムを統合的に提供するITソリューションです。1990年代後半から2000年代初頭にかけて普及したERPは、当時大企業が導入するシステムとして認知されていました。

しかし、ここ数年で中小企業を中心に導入が進み、今では企業規模を問わず様々な経営課題を解決するITソリューションとして注目されています。

今後販売管理システムの導入を検討している企業では、ERPで統合的な環境を整えることにも着目しておくと広い視野で検討を進めることができます。

今後はクラウドが市場を牽引

既に様々な分野で注目されているクラウドですが、販売管理システム市場においても今後クラウドが牽引するという予測があります。

IT調査とコンサルティングを提供するITRでは、ERPパッケージ市場調査においてパッケージ製品のクラウド対応が急拡大し、2020年にはクラウドERP利用企業がパッケージ製品ERP利用企業を上回ると発表しています。

実際に2020年時点でシャアが逆転するかは別として、この発表は概ね真実ではないかと思います。MicrosoftやSAPなどの大型ERPプレイヤーは既にクラウド対応を完了しており、MicrosoftではDynamics 365を新たな提供開始するなど、クラウドサービスへの積極的な姿勢を見せています。

各ベンダーでビジネスモデルをクラウドサービスへ移行するという動きが活発化しているのです。

こうした背景からもクラウドERPとパッケージ製品ERPのシェアが逆転するのは時間の問題でしょう。すなわち、販売管理システムにおいても同様のことが言え、今後市場を牽引していくのは間違いなくクラウドです。

クラウド型販売管理システムのメリット

ではなぜここまでクラウド型販売管理システムが注目されるのでしょう?そこにはオンプレミスが抱えていた様々な課題を解決するメリットがあります。

メリット1.導入コストを最小限に抑えられる

そもそもクラウドサービス(Saas)とはインターネット経由でシステムを利用するものであり、企業はインフラ環境を整える必要なく新たなシステムを導入することがあります。

つまり、これまでシステム導入で発生していたサーバ調達・設置、ネットワーク構成の変更、パッケージのインストール、初期設定といった導入プロセスを行うことなくシステムを導入することが可能です。

様々な導入プロセスを省略可することで導入コストは大幅に減少します。また、製品自体の初期費用もほとんどかからないので、大幅なコスト削減に繋がるのです。

メリット2.運用負荷を軽減できる

導入後の運用に関してはオンプレミス環境に比べて圧倒的に負荷が少なくなります。クラウド販売管理システムの運用は基本的にベンダーが行い、利用企業はインターネット経由でシステムを利用するのみです。

もちろん、自社環境に合わせてシステム設定を変更するといった作業はありますが、直接的なシステム運用には関わらないため運用負荷を大幅に減少できます。

従って人材リソースを有効活用できるだけでなく、オンプレミス運用でかかっていた人件費も削減できるでしょう。

メリット3.運用費用が明確になる

オンプレミスでの運用費用の大半を占めるのが、アップデート対応やサーバ管理などにかかる人件費でした。その他にもサーバ設置スペースや消費電力など可視化しづらい運用費用がネックとなっている企業も多いでしょう。

クラウド型販売管理システムになると毎月に運用費用は単純明快です。ベンダーが設定したプラン料金が毎月の運用費用となるので、費用が明確になり予算編成などもしやすくなりります。

また、クラウド型販売管理システムなら減価償却が不要などで経理業務の負担軽減にもなります。

メリット4.費用対効果がハッキリ見える

毎月の運用費用が固定的なクラウド型販売管理システムでは、導入後の費用対効果がハッキリと見えるというメリットもあります。「費用対効果がわからない」という理由で販売管理システムの導入を行わない企業も多いですが、クラウド型販売管理システムなら導入後の効果をしっかりと実感することが可能なのです。

メリット5.システムの拡張性が高い

オンプレミス環境で販売管理システムを運用している場合、規模拡大に応じて新たなライセンス契約などを行わなければなりません。そして、規模が縮小した際はそれらのライセンスを余らせてしまうことになります。

クラウド型販売管理システムではユーザー数に応じてプランを変更できるため、ライセンスの増減を自由に行えます。拡張性が高いため常に運用コストを抑えて利用することが可能なのです。

まとめ

いかがでしょうか?今回は販売管理システムの市場トレンドについて紹介しましたが、結論を言えば「ERPでの導入」と「クラウド型販売管理システム」が現在の市場トレンドとなります。

ERPとクラウド、どちらも企業の経営課題を多く解決することのできるITソリューションです。もしかすると、販売管理システム導入を検討している企業でも、ERPとクラウドを導入することが最も正解に近いシステム環境になる可能性は大いにあります。

販売管理システムを導入する際は、広い視野でERPの導入やクラウドサービスでの導入などを検討していただきたいと思います。

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