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UXデザインの手法は?5段階モデルも紹介

多くのサービスや製品が世に溢れかえっており、ブランドや見た目だけではユーザーの興味を引くことが難しくなっています。そこで近年では、ユーザーに価値を訴求するためにUXデザインを意識することが重要視されるようになりました。

新しいプロダクトを考えて成功を収めるためにも、UXデザインを意識した戦略を考案していきましょう。

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UXデザインはユーザー体験を企画する

あらゆる製品やソリューションなどで、ユーザーが直接見て触れる部分をUX・UIなどと呼びます。この部分がどのようなデザイン・仕様なのかによって、ユーザーの使い心地が変わります。
では、UXやUIにはどのような意味合いがあって、どのような違いがあるのでしょうか。ここではこれらの詳細について解説します。

「ユーザー体験」を企画するUXデザインとは?

UXは、User Experienceの略称です。直訳すると「ユーザー体験」となりますが、ユーザーが製品・ソリューションなどを使用した際に得られる「良い体験、感覚」のことを指します。

例えば、優良なWebサイトであれば、「読み込みが早い」「レイアウトがわかりやすい」「Popで可愛い、Coolでかっこいい」といった何かしらの「良い感覚」が得られるはずです。また、車などでも良い製品であれば「乗りやすい」「エクステリア・インテリア・エンジン音がかっこいい」といった感想を抱きます。

このような顧客が製品やプロダクションに触れたときに感情に訴えかけるデザインや仕様を「UXデザイン」と呼び、こういった感覚を促すための製品作りを「UXをデザインする」などと呼びます。

UXとUIとの違いは?

UXがユーザーの体験を促す意味合いであるのに対して、UI(User Interface)はユーザーが触れる部分のことを指します。元々は、ITシステムでよく聞かれ、アプリケーション、Webサイト、ソフトウェアなどのユーザーが触って動かす部分に対して使われる言葉でした。

例えば、Webサイトであれば、「レイアウト」「フォント」「デザイン」がUI部分です。さらに現在では、一般的な製品にも使われており、車では「ハンドル」がそれにあたります。そのため、UIデザインは、「ユーザーが実際に目に見えて触れる部分」のデザインを指すわけです。
また、UXデザインのためにはUIをデザインしなくてはいけません。このことからこの2つは、密接に関わっているともいえます。

UXデザインのプロセス

UXデザインを行うには、顧客が使用して実際にどのような印象を抱くのかを計算して考えなくてはいけません。以下のプロセスを元にUXデザインは行われます。

ユーザーニーズの調査・分析

構築するサービス・製品に対して、ユーザーがどのようなモノ・体験を求めているか「調査・分析」を行います。調査方法は、対象となるモノによって異なりますが、「インタビュー・アンケート」を用いるのが一般的です。その他、SNSを使用してリアルタイムの声を拾ったり、アクセス解析を用いたりして分析するのも良いでしょう。

これらを元に「仮説・検証」「実態の把握」を進めて、カスタマージャーニーマップの作成を行います。カスタマージャーニーマップは、顧客が認知から行動に移すまでを図式化したものです。
縦軸はユーザーの動作、横軸にユーザーが辿る行動を入れます。横軸と縦軸を何にするかは開発するプロダクトによって変わりますが、例えばお店で販売する商品の場合には以下のようになります。

縦軸

1.行動
2.タッチポイント
3.思考
4.感情
5.課題

横軸

1.認知
2.情報収集
3.来店
4.購入

ワイヤーフレーム・プロトタイプ作成

カスタマージャーニーマップを元に、ワイヤーフレームを構築し、プロトタイプを作成します。
ワイヤーフレームは、試作品を作成するための構造面を構築するものです。Webサイトであれば、「ボタンの配置」「遷移図」「動作」などを表します。ワイヤーフレームを作成したら評価を行い、問題があればブラッシュアップして機能設計を完成させます。

プロトタイプとは、テストに使用するサンプルやシミュレーション、すなわち試作品を作成する工程です。完成したら、UXが実現できているかなどを確認しながらブラッシュアップを行います。

使いやすさを優先させたデザイン

「色」「配置」「形」「アイコン」などのインターフェイスのビジュアルを決定するモックアップ(模型)と呼ばれる工程です。ここでもユーザーの需要に応えることが求められ、評価・ブラッシュアップを行います。
その他、ユーザーが直感的に使えるかどうかを念頭に置いたデザイン性も必要です。

プレゼンテーション

製品となるものが作成できたら、クライアントにプレゼンテーションを行います。「企画の内容」「なぜこのようなサービス」となったのかを、具体的に説明します。このとき実際に行った調査の内容を提示するなど、納得のできる理由を軸に進めましょう。
「結論」「根拠」「例」「エピソード」の順で進めていくと、わかりやすいプレゼンテーションが可能です。また、最後の工程では、質疑応答を行って疑問を解決すると、クライアントの心証を向上できます。

UXの企画に役立つ5段階モデルとは

UXデザインのプロセスを成功に導くための手段としてUXの5段階モデルを紹介します。このモデルは、アメリカのUXデザイナーが考案したもので、UXデザインを「戦略」「要件」「構造」「骨格」「表層」の5つの工程にわけています。

戦略

製品やサービスの戦略を練るための工程です。STP分析などを元に、どの層にどのような製品・サービスを開発するか決めます。得られたデータからペルソナシートを作成して、実際にアプローチする人物像をより詳細に描くと、コンセプトをはじめ、ビジネスモデルやどこに向けた戦略なのかなど、様々なビジョンが明確になります。

要件

UXデザインプロセスにおける、ユーザーニーズの調査・分析にあたる工程です。実際には調査・分析の結果から、ユーザー要求を決定します。「何をどのようにしたいのか」を具体的に決めて、マネタイズに繋げるための要件を作成するのです。これにより、製品やサービスの対象となる情報や機能を明らかにします。

構造

要件で作成したものを、実際にどのようにして形にするのかを決めていきます。その際、BTC(Business、Technology、Creative)の観点から整合性をとりましょう。この工程で作成されるのは、「概念図」「ナビゲーション設計」などです。戦略・要求の工程で得られたものが適切に織り込められているかを確認して、「UIの全体的な構造」を作成します。

骨格

UXデザインにおけるワイヤーフレームやプロトタイプの作成を行う行程が、骨格です。ここではミクロな視点で情報設計を行うことが必要です。構造までの段階で練り上げた課題や目的を形にします。さらに最新のトレンドを盛り込むことで、ユーザーにとって使いやすくわかりやすい骨格を構築できるでしょう。

表層

表層は、UXデザインにおけるモックアップの工程です。骨格を元に、デザイン面の構築を行います。この部分で作成したものが、ユーザーの第一印象となるため、UIグラフィックなど、ユーザーの感性に訴える設計を行うとUXを高められます。視線誘導やコントラストなどを意識した作りで、ユーザーの動作を阻害しない製品に仕上げましょう。

UXの5段階モデルを用いるメリット

UXの5段階モデルでは、戦略から細かくプロセスを練ります。これにより、ビジネス的な観点から様々なメリットが得られるのです。

ビジネス観点でサービスを考えられるようになる

多くの製品やサービスが出回る現代において、企業は顧客に新しい体験を提供することに邁進しています。毎日のように新しい製品・サービスが開発されますが、表層に近い部分から組み立てを行うと、ビジネス性が薄くなる恐れがあります。

5段階モデルでは最初の段階に戦略が置かれますが、これはあくまでもビジネスの観点から、製品・サービスの企画立案を行うためにあるのです。また、ビジネス視点で物事を考えると、ユーザーが抱える問題を解決に導け、ますますその製品などの認知度は向上するでしょう。

一見、デザインのみで流行ったと思われる商品であっても、それが流行したのには理由があるはずです。その理由・背景を得るためにも、5段階モデルの導入が望ましいといえます。

どの過程で問題が起きているのか把握できる

製品が売れなかった場合に、「なぜ失敗したのか」を分析する必要があります。このとき、開発プロセスを5段階プロセスのように分けていなければ、どこに原因があったのか発見に時間を要するでしょう。例えば、方向性が違うといったケースでは、構造段階に問題があるなど特定でき、修正を加えられます。また、5段階モデルを元に作成することで、何度もあるブラッシュアップの工程により、失敗の確立も下げられるでしょう。

まとめ

UXデザインは、ユーザーが新しい体験をするための機能を製品やサービスに付加することを指します。UXデザインを考えてプロダクトを作成すれば、ユーザーが製品に求めている機能や仕様を構築可能です。
様々なサービスや製品で溢れる昨今において、購入の動機付けを行う後押しはビジネスの観点から見ても重要な戦略といえます。設計・開発を行う場合は、UXデザインの構築プロセスを進んで取り入れてみましょう。

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