目視検査と外観検査の違いとは?業務効率向上をAIで解決

 2021.01.28  BizApp チャンネル編集部

製造業では、製品の外観検査を行うことで、製品品質の維持向上に努めています。多くの企業では、未だに人間の目視検査によって、製品の良し悪しを判定する企業も存在します。本記事では、目視検査と外観検査の違いや、目視検査の課題について詳しく解説していきます。

目視検査と外観検査の違いとは

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目視検査とは

目視検査とは外観検査の一種で、人の目で見て製品等の状態を確認する検査をいいます。検査内容によっては高度な知識や経験を要するものもありますが、比較的身近な手法で、容易に実施できるという特徴を有しています。

また、官能検査の一部でもあります。官能検査とは聴覚や味覚、嗅覚といった五感で品質を確認する手法をいいますが、目視検査はこれらの感覚のうち視覚を用いたものです。例えば、ある部品の表面に傷がないかどうか、形状不良はないか、印刷物上の文字ににじみがないか、といったことを目で見て評価します。

目視検査のメリットとしては、特別な設備が必要なく費用がかからない点にあります。環境や検査対象によっては設備や機器に費用を要することもありますが、基本的に大きな初期投資は不要です。

外観検査との違い

上述の通り、目視検査は外観検査の一種です。「不良品の検出」という目的を有している点でも共通しています。検査の流れとしては、自動化しやすい項目を外観検査として機械で行い、自動化が困難な部分に関しては、機械で検査した後に、目視検査するという方法が多く採用されています。そのため外観検査と目視検査を区別して呼ぶことも珍しくありません。

例えば、製品の外形などは定量化して自動でその良し悪しを判断しやすいですが、色むらなどは定量化が困難です。他にも、ツールマークと不良品としての傷も判定の難しい項目の一つです。

異物に関しても、判断が困難な場合があります。よく発生する異物の材質や発生場所などがあらかじめ予測できる場合には定量化が比較的容易ですが、半導体素子表面のようにパターンに異物が埋もれてしまいやすいケースでは、検出も容易ではありません。このような場合に目視検査が多く用いられています。

目視検査の課題点

目視検査では、より微妙な見た目の違いを判別できるため、機械などを用いた目視検査以外の外観検査と上手く使い分けることで効果的な品質チェックが可能となります。ただし、人の感覚に頼ることがかえって問題を引き起こすこともあります。主な問題としては「ヒューマンエラー」と「ばらつき」です。

ヒューマンエラーが起こりやすい

目視検査は、当該作業を行う人員さえ確保できれば、即座に実施することができるという利点があります。しかし、個人の感覚で合否の判定が行われるため、ヒューマンエラーが生じやすいという問題があります。

体調や周辺環境の変動が要因となり、平時と異常時では異なる結果になる可能性も考えられるでしょう。当然、人が作業をするため、長時間の作業をしていると疲れも蓄積されますし、集中力が高まっている状態もあれば欠いている状態のときもあるでしょう。人によってはしっかりと確認せずにさぼっていることもあるかもしれません。

また、検査にあたっては判断基準を設けることが必要です。しかし、その基準を作ったとしても解釈が統一できていないとエラーが起きる件数も増えてしまいます。例えば検査仕様書や手順書等で各項目を定義していたとしても、その理解度に個人差があっては最終的な判断に違いが出てしまいます。

検査員によってばらつきが出やすい

検査員によってばらつきが生じることも大きな問題です。

特に明確な判断基準を設けていない場合に、問題になりやすいです。あいまいな判定方法で、しかもマニュアル等も作成せず検査内容を口頭で伝えるだけのような場合だと、人によっては問題ないと捉えたり、異常があると捉えたりすることもあります。

また経験を多く積んでいるベテランと、検査を担当し始めた新人とではその精度に差が生じることもあるでしょう。ノウハウなどを共有し、技術の水準を均一にできていないと、そのばらつきが成果物にも現れます。

しかしながら経験が豊富な人材の確保も容易ではない上、新人検査員を教育する時間も設けることが難しいという実情もあります。逆に経験はあっても年を重ねることで視覚が鈍ってしまい、精度が落ちることもあります。部品の小型化等も相まって目視検査が困難になるケースも出てくるでしょう。

目視検査は自動化する流れが主流

目視検査は場合によっては有用ではあるものの、以上で挙げたような問題も抱えています。そこで、これまで目視に頼らざるを得なかった検査項目に関しても、自動化しようという流れが主流になってきました。この流れは画像認識やAIの技術発展を受けて加速しています。

例えば、これまで容易に判別することのできなかった項目に関しても、AIを用いることで目視検査に近い状態を再現できます。もちろん、その精度は利用するツールによっても異なりますし、ツールを導入する側の適切な運用も欠かせません。

ただ、こうした技術を正しく取り入れていくことでヒューマンエラーは従来に比べて減少することが予測されますし、判定基準のばらつきが問題となることもほとんどなくなるでしょう。さらに、自動化が進めば人員の確保という課題も解消されやすくなります。実際に見る人は少なくて済みますし、その結果人件費も削減できます。

ツール導入は機能性等に応じて相当のコストは覚悟しなければなりませんが、その際には長い目で見た費用対効果を考慮しましょう。人件費が削減できればツールにかかるコストも相殺でき、将来的にはより企業に資する結果をもたらすかもしれません。

実際、AIを導入した検査を実施する企業も存在し、定量化が難しい項目においても自動化を実現しています。人の目に頼ることなく、それと同等、もしくはそれ以上の検査を可能にしているのです。

まとめ

目視検査は外観検査の一種ではありますが、特に、人が目で見て行うという特色があります。しかし近年では自動化の流れが進み、場合によっては人が見て判定するのと同等以上の検査も可能になっています。目視検査を行っている企業は、今後自動化を実現する技術の導入も検討すると良いでしょう。


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