ビジネスプロセス分析とは?手法やフレームワークを解説

 2022.09.12  BizApp チャンネル編集部

組織全体における業務効率化を図るためには、既存の業務における各工程を俯瞰的な視点から分析し、改善点を洗い出す必要があります。そこで重要となるのが「ビジネスプロセス分析」への取り組みです。本記事では、ビジネスプロセス分析の目的や実施ステップについて解説するとともに、具体的なフレームワークをご紹介します。

ビジネスプロセス分析とは?手法やフレームワークを解説

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ビジネスプロセス分析とは?

企業とは、製品やサービスの生産を通じて市場に付加価値を提供し、その対価として利益を得ることで発展していく組織です。したがって、企業にとって重要な経営課題のひとつは生産性の向上であり、その実現には業務プロセスの効率化が欠かせません。そして、業務プロセスの能率化や合理化を目的として、業務の開始から終了に至るまでの全工程を可視化し、定量的に分析する取り組みが「ビジネスプロセス分析」です。

ビジネスプロセス分析の目的

ビジネスプロセス分析の本質的な目的は、組織全体における生産性の最大化です。生産性とは、企業が保有する経営資源の投入量に対する成果の比率を指す指標であり、「生産性=産出量÷投入量」という数式で算出されます。生産性を高めるためには、リソースの投入量を最小化しつつ、付加価値の産出量を最大化する仕組みが必要です。そのためには、既存の業務プロセスを分析して課題や問題点を抽出し、その解決に必要な施策や人材、ソリューションなどを把握しなくてはなりません。

とくに日常的に繰り返される定型的な業務領域は、業務プロセスの見直しによって、組織全体における労働生産性の向上が期待できます。極端な例ですが、業務プロセスの改善によって、従業員1人あたりが事務作業に費やす時間を月間50時間から40時間にまで削減し、前期と同じ営業利益を計上した場合、約20%の労働生産性向上となります。このように、既存業務の各工程を分析して効率化を図り、事業活動における生産性の最大化につなげることがビジネスプロセス分析の目的です。

ビジネスプロセスマネジメント(BPM)とは

「ビジネスプロセスマネジメント(BPM)」とは、業務プロセスの最適化を目的とする経営管理手法の総称です。先述したように、企業にとって重要な経営課題のひとつは生産性の最大化であり、そのためには既存業務の開始から終了に至る一連の工程を分析し、効率化を図るプロセスが必要です。こうした業務プロセスの最適化を目的とする経営管理手法がビジネスプロセスマネジメント(BPM)であり、その概念に内包されるデータ分析の領域をビジネスプロセス分析と呼びます。

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ビジネスプロセス分析のためのステップ

ビジネスプロセス分析は、大きく分けると「ゴールを定める」「データを収集する」「プロセスを図式化する」という3つのステップで構成されています。既存の業務プロセスを俯瞰的な視点から分析するためには、このステップを段階的に踏破しなくてはなりません。各工程における具体的な流れは以下の通りです。

ゴールを定める

ビジネスプロセス分析における最初のステップは、最終的なゴールの明確化です。たとえば、登山で山頂へ至るルートや必要な装備品を選定するためには、まず到達すべきゴールを定めなくてはなりません。これと同様で、ビジネスプロセス分析の最終地点を定めることで、その達成に必要な施策や改善すべき作業工程などが可視化されます。

そして、既存の業務プロセス全体、あるいは特定の業務領域を細分化し、KPIやベンチマークなどを設定するとともに、その達成度合いを客観的に評価できる仕組みを構築する必要があります。

データを収集する

最終的なゴールと中間目標となるKPIが設定されたなら、既存の業務プロセスを分析するためのデータを収集しなくてはなりません。業務マニュアルや業務分担表、業務フロー図など、対象となる業務領域のデータを可能な限り収集し、既存の業務プロセスの全体像を明確化する必要があります。

また、事業活動はさまざまなステークホルダーとの関わり合いで成り立っているため、自社リソースのみで精査・分析を完結するのではなく、既存顧客や仕入れ先、卸売業者などの関係者から多角的な意見を募るプロセスも重要です。

プロセスを図式化する

業務プロセスをマインドマップのように図式化するステップです。「ビジネスプロセスモデリング表記法(BPMN)」という手法を用いて業務プロセスを図式に落とし込み、業務の開始から終了までのフローを階層やカテゴリー、タスクなどに細分化します。業務プロセスの図式化は紙やホワイトボードでも可能ですが、フローチャート作成ツールやワークフロー管理システムなどを使用するのが一般的です。そして、このプロセスを実施するうえで重要な課題となるのが、以下の2点です。

  • 改善の余地がある部分を特定する
  • 改善の効果を検証する

改善の余地がある部分を特定する

業務フローの図式化で得られる大きなメリットのひとつは、既存業務における改善点の特定です。たとえば、請求書の作成や伝票の記帳などに多大な時間を要しているのなら、「RPA(Robotic Process Automation)」を導入して、定形業務の自動化や事務作業の省人化を推進するといった具体的な施策の立案につながります。このように既存業務の改善点を特定し、生産性を高める施策の立案・策定につなげることが、業務プロセスを図式化する目的のひとつです。

改善の効果を検証する

業務プロセスを図式化するもうひとつの目的は、KPIやベンチマークの測定といった成果の検証です。一例として、ワークフロー管理システム導入により稟議書の申請・承認・決裁の流れを自動化しても、生産性の向上度合いを測るためには適切なKPIを設定し、客観的に評価する仕組みが欠かせません。最初のステップで定めたゴールやKPIの達成度合いを確認するためには、継続的な効果測定が不可欠であり、業務フローの図式化によって検証プロセスの効率化に寄与します。

ビジネスプロセス分析に有効なフレームワークの例

ビジネスプロセス分析にはさまざまな分析手法があり、自社の組織構造やビジネスモデルに適したフレームワークを活用する必要があります。導入すべき分析手法に絶対的な正解は存在しませんが、代表的なフレームワークとして挙げられるのが以下の3つです。

  • PDCAサイクル
  • ロジックツリー(決定木分析)
  • ECRS(イクルス)

PDCAサイクル

「PDCAサイクル」とは、「計画(Plan)」→「実行(Do)」→「評価(Check)」→「改善(Action)」のサイクルを回し続けることで、継続的な改善を図るフレームワークです。そもそも「分析」という行為の目的は、抽出したデータから新たな知見を導き出すことであり、常に仮説と検証を繰り返しながらブラッシュアップしていく必要があります。PDCAサイクルは、ビジネスプロセス分析の作業フローをルーティン化するとともに、成果を創出するまでのスパンの短縮化に貢献します。

ロジックツリー(決定木分析)

「ロジックツリー(決定木分析)」とは、ひとつのキーワードから関連の高い項目をツリー状に分岐させ、データの分類やパターンの抽出を実行するフレームワークです。たとえば、「残業過多」というメインキーワードを決定し、その下層に「人材不足」や「スキル不足」「業務量のキャパシティオーバー」などとツリー状に分岐していくことで、課題の抽出や解決策の立案につながります。また、複雑な要因や属性を整理するだけでなく、目標達成に向けたロードマップを作成する際にも用いられる分析手法です。

ECRS(イクルス)

「ECRS(イクルス)」とは、「Eliminate(排除)」「Combine(結合)」「Rearrange(再編成)」「Simplify(簡素化)」の頭文字をとった略称で、業務プロセスの改善に欠かせないフレームワークです。たとえば、「Eliminate」は不要な業務を省く、「Combine」は異なる作業を並列処理する、「Rearrange」は業務の順序を変更する、「Simplify」は複雑な作業工程を簡素化するといった意味合いをそれぞれもちます。既存の業務プロセスを可視化し、改善点を俯瞰的に把握するために必須の分析手法です。

まとめ

ビジネスプロセス分析とは、業務プロセスの最適化を目的とする経営管理手法「ビジネスプロセスマネジメント(BPM)」に内包される分析手法です。具体的には、既存業務の開始から終了に至る一連の工程を多角的に分析し、課題の抽出や業務フローの改善を目的として用いられます。

ビジネスプロセス分析の実行には、優れたソリューションの活用が欠かせません。分析をスムーズに行うためにも、業務オペレーションの最適化に特化したERP「Microsoft Dynamics 365 for Finance and Operations」の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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