マイクロソフトのCommon Data Service (CDS)とは? だれでもデータを活用できる世界を目指す

 2018.07.18  Dynamics 365編集部

多くの企業が業務の生産性向上や競争力強化を目指して自社に最適化したビジネスアプリケーションの導入を実施しています。ひと昔前には膨大な規模でERPを導入すれば、ビジネスは順調に成長できると企業は信じていましたが、現代社会に置いてそれは通用しなくなってきています。

日々刻々と変化するビジネスニーズに伴い、企業アプリケーションの最適化が成長には必要不可欠です。今回はそれらニーズに対応するためにマイクロソフトが提供するビジネスアプリケーションプラットフォームおよびCommon Data Service(CDS)についてご紹介します。

インフラがアプリのニーズに追いつかない

ビジネスを成長させるには「フィードバックループ」の形成が欠かせません。お客さまや商材、人材といったそれぞれの分野で、適切なフィードバックを繰り返すことで、ビジネスはよりよく進化していきます。特に現代ビジネスでは、ITによって新しい「デジタルフィードバックループ」を構築して、業務を改革することが重要です。

マイクロソフトの「Office 365」「Dynamics 365」そして「ビジネスアプリケーションプラットフォーム」は、デジタルフィードバックループの構築を支援するソリューションです。

デジタルフィードバックループ

Office 365が業務の中核ツールとなっていることは言うまでもなく、Dynamics 365はマーケティングや営業、人事、財務といった各分野に必要な機能が揃っています。

またどのような業種・業務においても、アプリケーションを素のままで使うことは難しく、適切にカスタマイズして業務プロセスに適合させる必要があります。場合によっては、デジタル変革の最後の一手としてカスタムアプリを開発することも必要でしょう。

しかし、カスタムアプリ開発のニーズは急速に伸びており、ITインフラの提供が追いついていないという現状があります。ガートナーは、ITインフラの提供速度はアプリ側の需要に対して5分の1程度にすぎないと分析しています。

だれでもアプリを作成できる

ビジネスアプリケーションプラットフォームは、そうしたアプリ開発を強力に支援し、“アプリ作成を民主化する”プラットフォームです。Dynamics 365ユーザーであれば無償で利用することが可能ですし、各機能を個別に導入することも可能です。

一般的なアプリケーション開発は、ヒアリングや要件定義、開発・カスタマイズ、テスト、展開といったステージを経る必要があり、それぞれ多大なコストと時間を要します。

基幹システムに関するお役立ち資料

ビジネスアプリケーションプラットフォームは、現在のアプリ開発が抱える5つの課題──“専門性”“開発期間”“トレーニング”“システム連携”そして“コスト”──を解決する「ローコードソリューション」です。

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ビジネスアプリケーションプラットフォームを活用することで、専門知識がなくとも、非開発者が簡単にすばやくアプリを作成することができます。したがって、要件確定と開発を並行して進めることができるのです。コーディングは最小限あるいは不要で、使い慣れたPowerPointやExcelなどをインタフェースとして活用できます。CRMやOfficeツールなどとの連携も簡単に設定でき、APIの開発も必要ありません。

システムインテグレーターなどにとっても、ビジネスアプリケーションプラットフォームは有効です。これまでアプリの提供のみを行っていたベンダーは、特殊な開発環境や人材などを必要とせずに、自らアプリを短期間かつ安価に開発できるようになります。エンドユーザーも、ITをベンダーに任せつつ、より細かなニーズをすばやく実現してもらえるというメリットが得られます。

もちろん、単純なアプリしか実現できないということはなく、SDKを利用してミッションクリティカルなアプリの開発も可能です。ビジネスアプリケーションプラットフォームは、制限がなく効率のよい包括的な開発を実現するプラットフォームなのです。

開発生産性

 

データ活用を容易にするCDS(Common Data Service)

マイクロソフトのビジネスアプリケーションプラットフォームは、なぜ制限のない効率的な開発を可能とするのでしょうか。業務アプリケーションの開発において最も重要で困難な課題の1つに、“データ連携”があります。

データベースは専門性が高く、アプリ開発の大きなハードルとしてそびえます。あるアプリケーションで生成されたデータを、他のアプリケーションで活用しようとすれば、それぞれに合わせたデータ形式に変換させなければなりません。

具体的な例として、データ解析の分野があげられます。各種センサーが生成したデータは、いったんデータレイクに蓄積し、分析基盤に合わせて加工・変換を行って、解析にかけられます。基盤ごとに異なるデータ形式に変換しなければならないこともあります。

データが蓄積されるときに、各種アプリケーションが使いやすい形でまとめられていれば、こうした変換は必要なく、自由にすばやく活用することができるはずです。

そこでビジネスアプリケーションプラットフォームには、Dynamics 365やOffice 365のデータへアクセスするための統合された“業務データストア”として、「Common Data Service (CDS)」が用意されています。Dynamics 365やその他のシステムが生成したデータが統合的に格納され、特別な加工を必要とせずに、PowerAppsやPowerBI、FlowといったBAPやOffice 365のほか、カスタムアプリから利用することが可能となります。

CDSのアーキテクチャは図のとおりです。データの形式を定義する「Common Data Model」のほか、データ連携やセキュリティのための仕組みが盛り込まれています。対象のシステムはクラウドでもオンプレミスでも関係なく、自在にデータを連携することが可能です。

コモンデータサービス

例えば、これまでExcelでデータを扱っていた組織があるとしましょう。このデータをCDSに取り込むことで、まずPowerBIによって容易に見える化できるようになり、特別な設定や加工をすることなくDynamics 365などでデータを活用できるようになります。PowerAppsでモバイルアプリを開発してもよいでしょう。管理者は、Excelファイルの管理から解放され、安全なクラウド上で確実にデータを保護できるようになります。Excelはフロントエンドとして使い続けることができるため、エンドユーザーに負担を強いることもありません。

また例えば、「天気の情報を取り込む」という一見すると簡単そうに思える機能を実装したいとします。しかし、開発に関わったことがある人であれば、簡単とは言っても数時間は要することを理解できるでしょう。なぜなら、天気情報を取り込む、データを蓄積する、画面上に表示するという複数のアプリ/サービスを連携させる必要があるためです。

天気情報を取得→CDSに蓄積→集計という一連の作業をMicrosoft Flowによってフローとして管理し、PowerAppsで画面上に配置します。この開発はクリック操作だけで行うことができ、従来の数時間の開発がたった5分で終わるのです。

さまざまな業務をパワフルにサポート

マイクロソフトでは、ビジネスアプリケーションプラットフォームの中でも、特にPowerBIを中核とした分析機能の強化を推進しています。CDSは、PowerBIのキューブ(Cube)を蓄積するデータプールとしての役割も担います。

例えば「PowerBI for Sales Insights」は、Dynamics 365やsalesforce.comなどの営業データを数ステップで取り込んで見える化し、洞察を得ることのできる新しいツールです。CDSでデータを管理することで、他のデータ/システムとも容易かつパワフルに連携することが可能です。PowerBI for Sales Insightsは営業支援向けのテンプレートですが、他の業務向けのものも随時提供していく予定です。

データ連携の拡がりは、データ活用の拡がりです。CDSでデータを統合的に管理することで、データ連携の煩雑さから解放され、制限なくデータを活用できるようになるはずです。CDSは、“データ活用を民主化する”技術なのです。

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