原価計算とは?無駄を排除し利益を確保するために必要不可欠!

 2018.10.31  Dynamics 365編集部

「我が社は原価計算を徹底しているし、原価の適正化も図っているよ」と、自信を持って言える企業は、果たしてどれくらいいるのでしょうか?株式会社エフアンドエムが2016年に行った、中小企業における原価計算に関する実態調査(2社に1社は会計ソフト使わず  中小企業の「原価計算」についての実態調査を実施)では、有効回答数615社のうち173社(全体の28.1%)が「原価計算を行っていない」と回答しています。

つまり3割程度の企業は原価計算を行っておらず、製造や販売にかかっている原価を適切に把握できていないということです。

本稿ではこの原価計算についてお話します。そもそも原価計算とは何なのか?という基礎的疑問から、原価計算を行うメリットなど、まだ原価計算に取り組んでいないという方はぜひ参考にしてください。

原価計算とは?

原価計算とは文字通り「原価を計算すること」です。しかし、そう単純な作業ではありません。そもそも“原価”とは何を指すのでしょうか?

パン屋さんを例に原価の基礎を理解していきましょう。

パンを焼くためにはまず小麦粉、バター、水、塩、砂糖などパン自体を焼くための材料が必要です。パンによって必要な材料は異なりますが、すべて材料費として計上されます。次にパンを焼くための窯やオーブンが必要ですね。あとはパン生地を伸ばすための器具なども必要であり、これらは設備費として計上されます。最後にパンを作るためには人の手が必要であり、そこには当然人件費がかかります。さらにその他の諸経費も計上すると、これらを合計した金額がパンを作るためにかかった原価です。

ただの合算では意味がないので、たとえば1万円の原価で500個のパンを作れたとすると、パン1個あたりの原価は20円ということになります。あとは利益がいくら欲しいかを考え、20円の原価に利益分を上乗せして販売するだけです。

パンに限らず、このように商品を作ったりサービスを提供するためにかかった費用の総称を原価といいます。そしてこの原価を算出することが原価計算です。

計算だけではない…

ただし原価を計算しただけでは、それは本当に「計算しただけ」でありビジネスに活用できるものではありません。今から55年以上前に、当時の大蔵省企業会計審議会(現在の財務省)が公表した「原価計算基準」によると、原価計算の本質は次の通りになります。

基幹システムに関するお役立ち資料

1. 財務諸表作成

企業は株主や投資家等のステークホルダー(利害関係者)に対して、財務諸表という形で現在の経営情報を開示する義務があります。その財務諸表には真実の原価情報を記載しなければいけません。

2. 価格計算

健全なビジネスを成立させるためには、適切な価格計算を行うために正確な原価を把握し、製品価格を考えなければいけません。

3. 差異分析

今ある原価が適切な金額かどうかは基準が必要です。その基準を作るためには継続的な原価計算を行い、企業上層部に原価情報を適切に報告し、これを標準と比較して差異分析を行うことで適切原価の維持に努めます。

4. 予算管理

適切な予算計画を立てるためには事業の原価計算を徹底しなければなりません。原価とはつまり支出であり、これを予算として組み込むことで健全な経営を目指します。

5. 経営の基本計画

経営の基本計画を立案するための正しい原価情報を提示する必要があります。ただし状況が替われば経営の基本計画も変わるため、様々な原価シミュレーションを行うことが大切です。

以上のように原価計算には、単に原価を計算するだけでなく経営に深くかかわる取り組みの理由があります。

原価計算のメリット

では、原価計算に取り組むことで企業にはどんなメリットがあるのでしょうか?

1. 原価の無駄が把握できる

新しい商品やサービスを生み出すにあたってそこにかかる原価はいくらなのか?この適正値を判断できるので、継続的に原価計算に取り組み経験を備えている企業だけです。それは単に原価を計算できるだけでなく、今ある製品やサービスにかかっている原価のうち無駄に生じているものを把握していることにもなります。原価の無駄が把握できれば原価削減を効率良く進めることができ、ひいては利益率のアップという形で結果として現れます。

2. サービス原価が把握できる

原価計算は製造メーカーや食品メーカーだけが行うものという認識もあるかもしれませんが、実際はソフトウェア開発など主に人材をリソースとして投じる企業にもしっかりと原価は存在します。これをサービス原価と呼び、サービス原価について明確に理解していないと赤字プロジェクトを生み出してしまうかもしれません。

3. 損益分岐点が分かる

損益分岐点とは利益が確保できるようになるボーダーラインのことです。たとえば1個あたり原価20円のパンを1,000個製造すると、総合原価は20,000円になります。そのチョコレートを1個100円で販売した場合、利益は80円なので250個販売すれば損益分岐点を超えて利益が生じます。こうした損益分岐点を理解しているかどうかで事業の採算が判断できます。

原価計算が徹底できない原因とは?

株式会社エフアンドエムが行った実態調査では、有効回答数615社のうち442社が原価計算を行っています。ただし、原価計算に取り組んでいるすべての企業が適切な取り組みを行っていると限りません。半数程は原価計算を実施していても、適切な取り組みができていないのではないかと思います。

その原因を再びパン屋さんで説明します。
1種類のパンだけを販売していれば原価計算は非常に簡単です。パンを焼くまでにかかった費用を総合し、それを完成したパンの個数で割るだけです。そうすればパン1個の原価を簡単に算出できます。しかし、そうシンプルな話しではないことは、説明せずとも理解いただけるでしょう。

たとえばパン屋さんではバタールだけでなく、ホテルブレッドや多品種の総菜パンも販売しています。それらすべてには同じ材料を使っている部分もあれば、違った材料を使っている部分もあります。これが原価計算を複雑にしている理由です。単純に総合原価を完成個数で割ればよいという話ではありませんし、1個あたりの正確な原価を把握することは一気に難しくなります。

これが製造メーカーならば完成から在庫管理、ピッキングや出荷準備といった工程まで関わってくるのでそこにかかる人件費等も計算に入れないといけません。このように、複数種の商品を提供するだけで原価管理は複雑になってしまいます。

原価計算をMicrosoft Dynamics 365で実施する!

Microsoftが提供する統合的な業務アプリケーション環境のDynamics 365には、データを基準にした経営を実現するための原価計算機能が備わっています。各業務アプリケーションアは相互連携が取れているので、通常は可視化しづらい原価情報もシステム上で見える状態にし、企業の原価計算業務を強力に支援します。

さらに、Excel等のMicrosoft社製品との親和性が高いため、従来の作業環境は変えないままDynamics 365での原価計算に取り組むことも可能です。消費者のニーズが多様化しそれに応じたビジネスが求められている現代では、従来に比べて原価計算が複雑化しがちです。

そうした問題を解消した正しい原価計算を行うためにも、Dynamics 365を使ったソリューションにご注目ください。

Microsoft Dynamics 365で生産性の概念を再構築する

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