CRM/SFA

カスタマーエンゲージメントとは?Dynamics 365で顧客との信頼関係をアップ

企業と顧客の信頼性を意味するカスタマーエンゲージメントを高めると、売上の向上につながります。そのためには顧客の情報を管理、分析し、各顧客に最適なアプローチを行うことが大切です。Dynamics 365を利用すれば、カスタマーエンゲージメント向上に必要なシステムの基盤を整えることができます。

カスタマーエンゲージメントとは?Dynamics 365で顧客との信頼関係をアップ

CRMの利用実態と課題

カスタマーエンゲージメントとは

カスタマーエンゲージメントとは、企業と顧客の親密な関係性のことです。もともとエンゲージメントとは、「契約」や「婚約」などを表す言葉ですが、ビジネスにおいては顧客との相互信頼関係を表しており、売上を左右する指標だとして近年注目を集めています。
顧客との関係性を表すほかの指標とはどのように違うのか確認しておきましょう。

顧客満足度やロイヤルティとの違い

カスタマーエンゲージメントのほかに、顧客との関係性を表す言葉として、「顧客満足度」と「ロイヤルティ」がありますが、違いは以下の通りです。

【顧客満足度】商品やサービスに対する満足度
【ロイヤルティ】商品・サービス・企業への愛着度

顧客満足度とは、あくまでも商品やサービスに焦点が当てられているのに対し、ロイヤルティは、商品だけでなく、企業そのものへの愛着度を示しています。企業のブランド化・顧客のファン化と考えるとわかりやすいかもしれません。ただし、顧客満足度やロイヤルティは顧客からの一方通行的なものですが、カスタマーエンゲージメントは双方向のため、より強い関係だと考えられます。

サービスを気に入られたり、ファンになってもらったりすることが大切なのはもちろんです。しかしそれ以上に、自社と顧客との間に信頼関係を構築できる状態が、理想的であると言えるでしょう。

カスタマーエンゲージメントが注目される背景

カスタマーエンゲージメントが重要である原因の1つに、商品のコモディティ化が上げられます。コモディティ化とは、商品の機能に違いがなくなり、差別化が難しくなることです。そのため、カスタマーエンゲージメントという商品面以外の差別化ポイントが重要になります。

またサブスクリプションの登場により、継続的な売上確保のためには顧客と良好な関係を継続する必要があります。さらにSNSの発達により、個人の発信力が高まったことも、カスタマーエンゲージメントに注目が集まる理由の1つです。今日ではどちらも、顧客との親密な関係性を築くうえで、重要な要素になるでしょう。

カスタマーエンゲージメントを高めるメリット

カスタマーエンゲージメントが重要な理由は、何より売上に強く影響を与えるからです。エンゲージメントが高い顧客は、そうでない顧客に比べて高い収益をもたらしてくれることでしょう。

カスタマーエンゲージメントが売上向上につながる理由

商品で優劣が付けられない以上、顧客との強固な関係性は大きな差別化ポイントです。信頼性が高くなれば、新規購入やリピート購入はもちろん、アップセルやクロスセルもより容易に実現できるでしょう。

【アップセル】グレードアップ商品の販売
【クロスセル】関連商品の販売

すでに信頼関係が構築されていれば、より上位クラスの商品や関連商品を紹介した場合でも、ほかの商品と比べることなく購入してもらえる確率が上がります。

サブスクリプションの場合は特にわかりやすいのではないでしょうか。単発の購入ではなく、継続的に利用してもらう必要があるため、顧客との信頼関係は重要です。すぐに解除されないよう、カスタマーエンゲージメントを高めておくとよいでしょう。

また、個人の発信力=口コミもあなどれません。特にSNSにおける発信は、マーケティングにおいて大きな効果を生み出すことがあります。顧客との関係性が良好であれば、よりよい情報源として売上アップに貢献してくれますし、不誠実な対応をした場合は、すぐにその情報が拡散されることもあるでしょう。SNSやインターネットを優位に活用するためにも、カスタマーエンゲージメントは重要な要素です。

Dynamics 365でカスタマーエンゲージメントを向上させる

カスタマーエンゲージメントを向上させるには、顧客と接するあらゆる機会で、最適な体験を提供しなければなりません。

顧客と接するあらゆる機会とは単に商品やサービスを購入するときだけでなく、以下のような場合も含みます。

  • インターネットで商品やサービスを検索する
  • 企業ページで商品について調べる
  • 問い合わせをする
  • 実際に店舗で商品を確認する
  • 営業を受ける
  • 購入する
  • 購入後のアフターサービスを受ける

これらの体験の際に、顧客の声に真摯に耳を傾け、最適な提案をすることでエンゲージメントは高まります。そのためには顧客の情報を一元管理し、他部署間とも連携することはもちろん、情報から行動を分析して最適な提案をしなければなりません。そのためには、企業のシステム基盤を整えておく必要があるでしょう。ROITでは、Microsoft製品のDynamics 365を利用して、カスタマーエンゲージメントを高めるための基盤づくりを勧めています。

Dynamics 365で企業活動全体をスムーズに

Microsoftが提供するDynamics 365は、企業の活動を効率的にするためのビジネスアプリケーションです。

CRM(顧客管理)・SFA営業支援)・MA(マーケティングの自動化)・ERP(基幹システム)・顧客サービスなどのさまざまな領域を効率的に管理できます。
また、当然Office製品との連携も容易なので、ExcelやOutlookで作成した予定などの一元管理も可能で、ペーパーレス化にもつながります。

このように、Microsoft 365の機能と連携させることで、生産性の向上や業務の効率化を実現できます。

Dynamics 365でカスタマーエンゲージメントを高める

Dynamics 365は多くの領域をカバーして全体的な企業活動の効率性を高めてくれますが、カスタマーエンゲージメントを高めるため、特に役立つアプリケーションは「Sales」「Marketing」「Customer Service」の3つです。

Dynamics 365 Sales

Dynamics 365 Salesはセールスの基盤を支えるアプリケーションで、CRM(顧客管理)やCFA(営業支援)のシステムを構築できます。
CRMは主に顧客の情報を一元管理することで顧客満足度を高め、SFAは営業活動の管理やバックアップを担っています。
顧客のデータベースや商談管理、売上管理、見積作成など、営業が個人で抱えていたこれらの業務をシステム化することで、営業活動の効率化が可能です。
また個人の能力に依存することなく、正確に顧客情報を管理することで、適切なアプローチを可能にする点も、大きなメリットでしょう。

各顧客のエンゲージメントを高めるには、正確な情報を把握する必要があるため、Dynamics 365 Salesは大いに有用だと考えられます。

Dynamics 365 Marketing

Dynamics 365 Marketingは、マーケティングの自動化であるマーケティングオートメーション(MA)を実現します。MAは効率的な営業活動や商談のために行われる、見込み客発掘のためのアプローチです。
顧客データから行動を分析し、各顧客に適したメール配信やキャンペーン案内などのアプローチを自動的に行います。そうすることで、より購入確度が高い顧客を見つけ、優先的にセールスを行い、売上の向上につなげられるのです。ほかにもランディングページの作成やSEOなども、MAの領域になります。

顧客に最適な提案をすることで信頼感は高まります。MAはカスタマーエンゲージメントの基軸となる要素とも言えるでしょう。

Dynamics 365 Customer Service

Dynamics 365 Customer Serviceは、顧客対応をシステム化したアプリケーションです。顧客はもちろん、これから顧客になる見込みのある人をサポートします。過去の問い合わせ内容をデータ化することで、適切な対応が可能です。
これによって、「個人の能力に頼ったサポートでは、均一なサービスが提供できない」という問題を解決できます。

また、蓄積した膨大なデータを基にした提案型機能も完備しており、顧客の問い合わせ時における負担を軽減することも可能です。

これらにより、簡易化された問い合わせ方法、適切な対応は、カスタマーエンゲージメントを高めるのに大いに貢献します。

そのほかにもDynamics 365はさまざまな領域をカバーしています。企業効率化が高まることで顧客の利便性は上がるので、ぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ

コモディティ化が進んだ現代では、売上アップのためにはカスタマーエンゲージメントを高めることが有効な手段の1つです。顧客との信頼関係を高めるためには、最適なアプローチをしなければなりません。Dynamics 365を利用すると、顧客管理や営業支援の状況から、顧客の行動を分析し、各個人に最適なアプローチを自動的に行えます。

ただし、優れたシステムであってもうまく利用できなければ思うような効果を望めないこともあります。ROITが提供するサービスでは、システムを有効に活用可能にしてくれるさまざまなサポートを提供しています。運用に不安を感じる場合は、ぜひご相談ください。

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