電子契約とは?そのメリットと注意ポイント

 2019.12.05  BizApp チャンネル編集部

インターネットが普及するにつれて、さまざまなモノ・コトが電子データ化されていきました。その1つが「契約」です。契約の電子データ化とは、本来は「紙と印鑑」をもって締結していた契約を、PDFなどのファイルと電子署名を使って契約を締結し、契約書をそのまま電子データとして保管することを指します。

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JIPDEC(日本情報経済社会推進協会)の調査によると、2017年時点で電子契約を何らかの形(複数部門/複数取引先or一部の取引先)で電子契約を採用している企業は、全体の42.4%に上り、想定以上に多い結果となっています。さらに、「今後の採用を検討している」と回答した企業を含めると、65.6%の企業が電子契約を採用/検討していることになります。

参照:JIPDEC『「企業IT利活用動向調査2017」にみるIT化の現状』

皆さんの会社では、電子契約の導入を検討中でしょうか?あるいはニーズは感じているけれど、具体的にどうすればよいか分からないという状況でしょうか?本稿ではそうした方に向けて、電子契約の基礎についてご紹介します。メリット及び注意ポイントを理解した上で、適切な電子契約導入を目指していきましょう。

電子契約と書面契約の違い

紙で印刷された契約書によるビジネスでは、記名押印や署名によって契約の事実を互いに証明し、契約書は倉庫やキャビネットなどで原本を物理的に管理します。ごく当たり前のことなので、書面契約の非効率に目を向けたことがない、という方も多いでしょう。

一方、電子契約では契約書を印刷せずに、電子データのまま管理します。そこにタイムスタンプと電子署名を付与して契約の事実と証明し、締結した契約書は電子データとしてファイルサーバーや外部のデータセンターに保管します。

電子契約と書面契約の違い

書類媒体

紙への印刷

PDFファイルなど

署名方法

記名押印、署名

電子署名

契約締結の証明

日付記入

タイムスタンプ

相互確認

原本の持参/輸送による受け渡し

インターネット回線、または専用回線を使った電子データの受け渡し

保管場所

倉庫やキャビネットにて原本の物理的保管

社内のファイルサーバーや外部のデータセンターにて電子データで保管

電子契約の問題を解消する「電子署名」と「タイムスタンプ」とは?

電子データとして契約を締結するか、紙の契約書で締結するかには非常に大きな違いがあります。それは「電子データは複製/改ざんが容易にできる」ことです。つまり、契約書を不正に複製したり、改ざんしたりすることで企業にとって不利益になる可能性が付きまといます。この問題を解消するのが、先にも登場した「電子署名」と「タイムスタンプ」という技術です。

電子署名

電子データとして作成した契約書に付与する署名を「電子署名」と呼びます。紙の署名では記名押印や署名(サイン)によって本人確認が行え、契約書を担当者本人が作成したことを証明し、かつ改ざんされていないことを示せます。

基幹システムに関するお役立ち資料

電子署名は認証局が発行する「電子証明書」と共に担当者本人の署名を付与することで、当人が契約書を作成し、かつ改ざんされていないことを証明できます。

タイムスタンプ

一方、電子署名を付与した日時を記したものを「タイムスタンプ」と呼びます。タイムスタンプには「タイムスタンプが押された時刻に、当該文書が存在していることを証明する(本人証明)」と「タイムスタンプが押された時刻以降に、当該文書が改ざんされていないことを証明する(非改ざん証明)」という2つの役割があり、電子署名に高い証明効果を持たせることができます。

電子署名とタイムスタンプは、政府認定の認証局によって発行されるものであり、企業独自に不要できるものではないことから、証明力が高いとして電子契約での使用が義務付けられています。

電子契約導入のメリット

従来の契約方法に比べると、電子契約は多くのメリットがあります。もちろん、導入にあたりコストはかかりますが、それを補って余るほどの効果を持ちますので、すべての企業にとって導入の意義はあると思います。

1.コスト削減効果

紙を使った契約書には、紙の印刷代、収入印紙代、郵送費、契約書の保管費、それらにかかわる人件費など細かい費用がたくさんかかわってきます。契約1件あたりにかかる費用は微々たるものでも、トータルで考えると「紙の契約書にかかわるビジネス」だけに月間数十万円を費やしているケースは非常に多いでしょう。

電子契約では、契約書の印刷は不要ですし、電子帳簿保存法で収入印紙が不要と規定されています。さらに、インターネット回線や専用回線を使って契約書のやり取りをするので、郵送費もかかりません。

最小限のコストと労力で契約を取り交わすことができますので、大きなコスト削減効果が期待できます。

2.業務効率化

紙の契約書では、原本を印刷して、記名押印、封入、郵送、取引先が記名押印して原本を返送といったプロセスを挟むため、契約締結までに1週間~3週間ほどかかることも少なくありません。また、途中で契約内容に変更があれば、原本を修正して再度印刷からやり直す必要があります。

さらに、監査によって過去の契約書を確認しなければいけない時は、保管している倉庫やキャビネットから契約書を探す手間もあり、何かと労力がかかります。

電子契約の場合、企業も取引先もパソコンやスマートフォンを使って契約書のやり取り/確認を実施して、そのまま記名押印することで契約にかかるプロセスを大幅に短縮できます。早ければ5分以内に契約が締結することもあるでしょう。締結済みの契約書も電子データとして保管するので、検索性が高く必要な契約書を瞬時に引っ張り出すことができます。

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3.コンプライアンス強化

契約書を紙のままで管理することには、実はリスクがあります。まず、3Dプリンタなど高度な技術を用いれば複製は簡単だということです。一方、電子契約では電子署名とタイムスタンプの複製が限りなく不可能なので、改ざんの有無を誰でも簡単に確認できます。

もう1つのリスクは、倉庫やキャビネットで保管していたはずの契約書を紛失してしまうことです。企業では日々多くの書類がやり取りされているので、その中で管理漏れが発生して、必要な契約書が見つからない事態は多々発生します。また、災害によって倉庫やキャビネットが破損し、そこに保管していた契約書も失われる事例が多いです。

紙の契約書は紛失/破損すると復元が困難なので、やはり電子データとして保管しておく方が安全かつコンプライアンス強化に繋がります。

電子契約の注意ポイント

最後に注意ポイントを上げますと、電子契約は「企業だけの一存で実施できるものではない」ということです。電子契約を実施するには取引先の承諾が必要ですし、理解を得ることが大切です。なので、先走って電子契約を導入するのではなく、取引先と協議を重ねた上での導入を目指してください。

この機会に、電子契約を使ったコスト削減、業務効率化、コンプライアンス強化を実現してみてはいかがでしょうか?

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