国際会計基準のIFRSとは? 日本基準との違いを解説

 2022.01.31  BizApp チャンネル編集部

IFRSとは、イファースまたはアイエフアールエスと称されている国際会計基準です。
米国が自国の会計基準にIFRSを組み入れようとする動きを受けて、日本でもIFREへの関心が高まっています。
この記事では、IFRSの特徴、日本基準との違い、IFRS導入のメリットやデメリット、米国や日本の動向にも触れていきます。

国際会計基準のIFRSとは? 日本基準との違いを解説

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IFRSとは?

IFRSの基本的な情報からまずはお伝えしていきます。会計基準には、国際的に定められている会計基準(IFRS)とそれぞれの国で定められている独自の会計基準があります。
ここではこの二つの基準について解説します。

IFRSは国際的に定められている会計基準のこと

世界各国で使われている会計基準には、米国財務会計基準審議会(FASB)が管理している米国会計基準とIFRSがあります。

IFRSは「International Financial Reporting Standards」の略称で、国際会計基準と日本語に直されることが多いです。
IFRSはロンドンに本部のある民間団体の国際会計基準審議会(International Accounting Standards Board、IASB)が定めています。

EUではすでにIFRSが上場企業に義務化されており、現在は110以上の国と地域で採用されています。
今後もますます広がっていくことが見込まれていますが、大きな市場では米国と日本のみがまだ取り入れていないため、その動向が注目されています。

IFRSの特徴

IFRSの主な特徴としては、以下の3点です。

  1. 原則主義
    IFRSは世界各国で適用されることを前提としているため、原則のみを示し、具体的な数値基準や判断基準を定めない原則主義(プリンシプル・ベース)を採用しています。
    具体的で細かい基準は示さず、原則に従い企業が運用を行うべき会計処理を選択することになります。
    また、アメリカや日本はそれに対し、それぞれの国内で適用されている細則主義(ルール・ベース)を採用しており対照的です。
  2. 貸借対照表重視
    日本が企業の経営状態に重点をおく「損益計算書重視」に対し、IFRSは財政状況に重きを置く「貸借対照表重視」となっています。
  3. グローバル基準
    各国の税制など独自性を考慮せず、英語を共通言語として議論や定義を行っているので解釈のブレがありません。

日本会計基準との違い

日本会計基準は1949年に旧大蔵省の経済安定本部・企業会計制度対策調査会が公表した企業会計原則を基に、現在の金融庁・企業会計基準委員会(ASBJ)が設定しているものです。
日本の会計基準とIFRSの会計基準との相違点をまとめると次のようになります。

【表の引用】マネー・フォワード社ホームページ

  日本会計基準 IFRS
収益認識基準(売上計上基準) 収益が実現した時点で計上する実現主義 履行義務が充足された時点で収益を認識
非上場株式の貸借対照表計上額 原則として取得原価 時価評価
M&A時に受け入れた無形資産の評価(買収側) 特許権や商標権などの法律上の権利は時価評価して計上 ライセンス契約、フランチャイズ契約、顧客リストなども含め時価評価して計上
のれん 20年以内で定額償却 非償却
固定資産の耐用年数 法人税法の耐用年数 法人税法の耐用年数 企業が固定資産を使用する予定の期間
研究開発費 すべて発生時に費用処理 研究費は発生時に費用処理し、開発費は要件をみたす場合のみ資産計上

IFRSの特徴で触れたように、日本会計基準には細かな規則があったり、税効果会計の配慮が必要であったり、貸借対照表よりも損益計算書を重視したりという特徴もあります。

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IFRSを導入するメリット

つづいて、IFREを導入するメリットについて確認していきましょう。

  • 会計基準がグローバルで統一されているので、多数の海外子会社を抱えているグローバル企業などは会計の管理が容易になる。
  • 会計基準の統一によって企業間との比較がしやすい。
  • 無形資産の時価評価や収益認識基準など、IFRSの方が日本会計基準よりも業績を適切に反映する場合がある。
  • IFRSは世界各国で採用されているので、海外投資家への説明や多様な資金調達の面で容易になるのは大きなメリット。

IFRSを導入するデメリット

引き続き、導入するデメリットも見ていきましょう。

  • 現状の日本においてはIFRSが義務化されていません。
    任意適用されている企業でも、日本の会社法では日本会計基準で開示が求められるため、IFRSとの二重の帳簿を用意する必要があり、日本会計基準とIFRSを併用する必要があり、そのコストと手間が発生します。
  •  IFRS会計基準の改正は頻繁に行われ、かつ、複雑なので、自社会計への適用が困難となる場合が多いです。

IFRSをめぐる日本国内の動向

IFRSをめぐる現在までの日本国内の動向は次のようになっています。

日本国内の動向

この章では、IFRSに関する日本の動向を金融庁が公開している資料、「会計基準を巡る変遷と最近の状況」(2021年11月16日金融庁)を基に概説します。

2005年 EUの上場企業にIFRS義務付けが適用
2007年 EUなどの動きを受け、「東京合意」によって日本の会計基準をIFRSに近づけるコンバージェンス*の動きが高まりを見せる
2013年 IFRSの強制的な適用の動きがあったものの、東日本大震災により見送られる。しかし、このときJMIS*を導入し部分的に受け入れることとなる。
2021年 上場企業等に対して、IFRSの「収益認識に関する会計基準」の適用が求められている。

*コンバージェンス(「収束」「収斂」)とは、自国の会計基準にIFRSを取り入れて違いを小さくすること。
*JMIS(ジェーミス)とは、「Japan's Modified International Standards」の略で、IFRSの一部を日本仕様に対応させた会計基準のこと。
この結果、日本国内に4つの会計基準が混在することになった。

  1. 米国会計基準
  2. 日本会計基準
  3. IFRS
  4. JMIS

IFRS適用企業は今後も増加する見込み

前述の金融庁資料によると、国内でのIFRS任意適用企業数は256社となっています。(2021年10月時点)

2021年6月18日に閣議決定された「成長戦略フォローアップ」では、「11.コーポレートガバナンス改革」で、「IFRSへの移行を容易にするための取組みを進めることにより IFRS の任意適用企業の拡大 を促進する。」と記載されることとなりました。

その後金融庁においても同年8月31日に同様の方針が打ち出され、会計基準のハイクオリティー化と国際的な会計処理を行う人の育成を目的としました。
これからも日本国内においてIFRS任意適用を行う企業は増えていくと予想されています。

まとめ

これまで見てきたように、会計基準のグローバル化の波を受け、日本国内企業のIFRS採用は大きな潮流となっています。政府の後押しもあり、ますます採用企業が増えてくることでしょう。

任意適用企業の拡大を受けて、IFRSを処理するためのビジネスソリューションの必要性が高まっています。

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これを機に、Microsoft Dynamics 365の導入を検討しませんか。

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