ローコード開発とは!? 導入のメリットも解説

 2021.04.15  BizApp チャンネル編集部

システム開発にはさまざまな手法が存在しますが、近年とりわけ注目を集めているのが「ローコード開発」です。通常、開発には大きなコストがかかりますが、ローコード開発であればコストを抑えた開発が実現できます。そこで本記事では、ローコード開発の概要やメリット・デメリットについて解説します。

ローコード開発とは!? 導入のメリットも解説

ローコード開発とは

「ローコード(Low-Code)開発」とは、GUIを用いた視覚的な操作によって、少ないコーディングでシステム開発することをいいます。プログラミング言語を用いて一つひとつ記述していくときのように、文法や細かな記述方法などを気にする必要がありません。ブロックや積み木を積み上げて、1つの成果物を作り上げていくような感覚といえばわかりやすいでしょう。ある程度ひとまとまりになったパーツを組み合わせてシステムを作っていくため、開発者はクリック&ペーストという直感的な操作のみで開発ができるのです。

コードの記述量が減少することに伴い、開発スピードが速くなるため、かつては「高速開発」とも呼ばれていました。大企業や国外企業においても利用される機会は増えつつあり、世界的に流行し始めている手法といえます。

従来のシステム開発との違い

従来の開発手法では、ヒアリングから要件定義・仕様策定、そしてプログラミングによる実装を経て、テスト→リリースという流れが一般的でした。ローコード開発においても、この流れ自体が大きく変わるわけではありませんが、プログラミングによる実装段階が大幅に変わります。自動化できるところも出てきますし、コードの記述にかかる時間や労力も、従来の手法に比べてかなり縮小できます。

なお、「ノーコード開発」とは異なるため混同しないように注意しましょう。こちらもGUIをベースにシステム構築を行うものですが、ローコード開発よりさらにプログラミングから離れます。ソースを書かず、開発者のすべきことはより削減されますが、その分自由度も減りカスタマイズ性に難があります。他方、ローコード開発では拡張ができるほか、組み立て方に応じて内容を一定範囲内でカスタマイズすることも可能です。

ローコード開発が注目されている理由

従来では各企業が高い専門性を有し、独自に開発を行ってきました。しかし、それでは非効率になるケースも間々ありました。企業内部で使う業務用ツールなどを毎回独自に作っていたのでは、時間もコストもかかるうえ、ノウハウを持っていなければセキュリティ上のリスクも抱えることになってしまいます。開発後も自社内でメンテナンスを行う都合、恒常的に管理作業の負担が生じるデメリットもありました。

しかし現代においては、便利なツールがクラウド上で活用できるようになったため、他社が開発したものを導入して、これら課題の解決が容易となりました。ローコード開発においても同様で、クラウドの利用環境が整った結果、導入ハードルが下がったことが注目を集めている一因といえます。インターネットを介して簡単に機能を活用できるため、自社にないノウハウに関しても、他社から提供されている技術を用いることで効率的に業務が進められます。

また、業務の効率化や開発の属人化防止など、企業のニーズとマッチしたことも大きな理由です。こういった背景があるため、世界中でローコード開発への期待が高まり、多くの企業で導入が進められています。内製化の一手段として使うケースや、Slerなどパートナー企業が使うケースなど、導入の目的は企業によりさまざまです。

ローコード開発のメリット

では、ローコード開発の導入によって、具体的にどのようなメリットが得られるのでしょうか。以下では、主なメリットを3つご紹介します。

開発期間とコストの削減

ローコード開発によるメリットとしては、まず開発期間の短縮とコスト削減の実現が挙げられます。現代日本はIT人材が慢性的に不足しているといわれていますが、ローコード開発ではそのような状況においても、企業の活動を活発化できると期待されています。

人材不足は、特にIT業界や製造業などを中心に、多くの業界で共通して直面している問題です。日本は少子高齢化の只中にあるため、今後も長期的な人口減少が続くと見込まれており、労働人口そのものの減少も危ぶまれています。そこで、企業としてはできるだけ早期にこの問題と対峙し、具体的な対策を練ることが急務といえます。

ローコード開発は、開発工程の簡略化あるいは自動化を促進するため、人材不足への対策となり得ます。顧客や従業員から出てくるさまざまな要求にも、迅速に応えられるようになるでしょう。また現状、人材不足に直面していない企業であっても、生産性が向上すればコスト削減などの恩恵を受けられます。

ノウハウが必要ない

ローコード開発を取り入れれば、プラットフォーム上で容易に開発作業ができるため、開発者すべてがプログラミング教育を受けた技術者である必要はなくなります。

もちろん、開発に関する知識を誰も持っていないような状況だと、それはそれで困ることも多いでしょう。しかし、従来の手法と比べれば、高度な技術者の人数は少なく済むうえ、ノウハウの継承や習得が必須ではなくなります。教育に要する労力も縮小できますし、ハードルが下がることで多くの者が作業に関与できるようになるでしょう。

セキュリティ面での負担が少ない

自社で一から構築した場合、管理の手間が生じる点もさることながら、特に注意しなければならないのがセキュリティ面です。悪意ある者からの攻撃を防いだり、攻撃の対象となる脆弱性をなくしたりするなど、定期的なアップグレードも必要になってきます。

その点、ローコード開発ではベンダーがセキュリティ対策を講じてくれます。そのため、自社内での保守運用における負担を削減し、その分のリソースをより有効に活用できます。

ローコード開発のデメリット

ここまでローコード開発のメリットに着目してきましたが、デメリットがないわけではありません。導入に際しては、以下の点をしっかりと把握しておくことが大事です。

自由度が低い

コードを一から記述しないということは、作業が楽になる反面、それだけ自由な機能性も持たせられないことを意味します。そのため、自社あるいは顧客の要望に完全に合わせたものを構築することは困難といえます。一定範囲内での提案を行い、その範疇で初めて効率的な作業が実現されるのです。

部分的にコーディングを行い、この弱点を補填するというやり方も一応は可能です。しかしその場合、コーディングによる補填部分が増えるほど、ローコード開発のメリットも小さくなってしまい、本末転倒となりかねません。補填もしつつローコード開発のメリットを最大限に享受するためには、バランスよくコーディングを取り入れなければなりません。

プログラマーが必要

フルスクラッチする必要はなくなるものの、プログラマー自体が不要となるわけではありません。何かトラブルが生じた場合には、問題点を分析できる人材が必要です。また、一部コードを記述する必要性が生じた際も、対応できる者がいなければなりません。

システムがブラックボックス化しやすい

ローコード開発を行う場合、共通の開発ルールを設けていないと、あとで別の者が管理できない状態になるおそれがあります。コードで記述した場合であれば、作成者以外も内容を読むことで理解できますが、ローコード開発の場合はシステムがブラックボックス化しやすいです。そこで、どのようなロジックで設計したのか、誰が見ても理解できる形で残すように運用する必要があります。

まとめ

ローコード開発ではパーツを組み合わせるようにしてシステム構築していくため、作業負担の軽減やコスト削減、作業期間の短縮などに効果的です。生産性の向上を目指したい場合や、人材不足に悩んでいる場合などには、導入の余地があります。のちにトラブルとならないよう、デメリットも十分に理解したうえで検討してみましょう。


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