外観検査とは?押さえておきたい基礎知識

 2020.12.28  BizApp チャンネル編集部

ものづくりを行う際に欠かせない業務の一つに「外観検査」があります。特にものづくりに特化した企業なら、外観検査の内容や重要性をしっかりと理解しておく必要があるでしょう。

従来の外観検査は、人の五感を駆使した官能検査が代表的でしたが、昨今は少ないコストで実施可能な機械検査が有力です。機械検査は、従来とは異なり検査のばらつきをなくせるというメリットがあります。

今回は、外観検査の概要を整理したうえで、システム導入によってどのような検査が可能になるのかについて解説します。

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外観検査とは

まず、「外観検査」とはどんな工程のことを指すのでしょうか。

ものづくりをするうえで、部品や制品に高い品質が保たれているのかどうかは重要なポイントになります。生産を進める際に部品などの安全性が保証できなければ、不良品を生むリスクを高めることになります。この品質を保証するために行われるのが、外観からチェックを実施する外観検査です。

外観検査には、「部品や制品の品質の良し悪しを判断できる」「不良品流出を防げる」さらに「不良・不具合が発生する原因・経緯を特定できる」といったメリットがあります。これらの重要性に基づいて、企業は生産過程の中で外観検査を行います。

外観検査の検査項目

ここからは、外観検査の具体例とチェック項目についてそれぞれ簡単に整理していきましょう。

制作段階

まずは、制作段階・表面処理後・仕上がり後を3つの段階に分けたうえで、外観検査の項目を見ていきます。

最初は制作段階における検査項目ですが、基本的な外観上の問題を発見するためには、以下の項目が非常に重要なポイントになります。

形状

制作段階の外観検査では、まずものの形状について細かくチェックが行われます。指定された形状に対して差異があれば、この段階でチェックに引っかかる流れです。変形や欠損の有無についても、細部まで確認します。

構造

制作段階では、指定された構造を基にして、組み立てや位置ずれがないかどうかのチェックも実施されます。わずかな位置ずれや組み立ての差異も検査によって見極められます。

寸法

形状や構造などに問題がなくても、寸法に差異があれば不良品として扱われることになります。制作工程の中では、指定寸法より大きすぎないか、もしくは小さすぎないかなどのポイントを細かくチェックしていきます。

形や構造、大きさだけでなく、色についても細かい外観検査が行われます。色目・色調に差異はないかをまずチェックしたうえで、変色や色ムラなどの問題点についても、この段階で細かく見る流れになります。

印刷

制作段階では、指定と比べつつ、印刷の精度についてもチェックされます。もともと指定されたデザインとの間で差異があれば、この段階で細かく検査するのが特徴的です。

表面処理後

続いて、制作から表面処理後の段階に移ったときの、外観検査の項目について見ていきましょう。

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制作段階では合格判定が出たものでも、表面処理後には傷やムラなどが見えてくることは、多々あります。そのため、この段階でも、チェックは細部までしっかりと行っていきます。

見栄え

表面処理後に外観検査で見られるのは、全体的な見栄えです。見栄えのよい作りになっているかという観点からチェックを行いますが、具体的なポイントとして確認するのは、表面に不必要な凹凸、シワやムラなどがないか、素材の劣化などが見られないかなどの点です。

また、触ったときに違和感がないかどうかなどの触感チェックもこの段階で行われます。

これらの検査をしっかりと行っておけば、ムラや凹凸などが生まれる原因を特定するきっかけにもつながり、再発防止に向けて対策も立てられます。

制作段階で品質に問題がなかった場合でも、保管や輸送の際に表面に傷がついてしまう場合もあります。そのため外観検査では、表面処理後に傷や擦れなどの問題がないかを必ずチェックしていきます。

付着物

品質自体には問題がなく、傷のチェックなどに引っかからなかった場合でも、何らかの付着物がある場合も想定されます。表面処理後は、汚れやチリといった付着物の有無についても細かく確認することになります。

仕上がり後

仕上がり後は、最後のチェック項目としてバリや突起の有無を精査します。そのうえで、加工跡などが目立っていないかを見ていきます。

一見きれいな仕上がりに見えても、治具の跡などが残っていて、粗雑さが見え隠れしていることも少なくありません。そのため、ここでも細部までチェックされます。このように、「どれだけ指定に従い、丁寧に仕上がったか」を最終的に見極めるのが、仕上がり後の外観検査になります。

高精度な外観検査の実施のために

不良品の流出を防いで品質を保証するためには、ものづくりの場において、精度の高い外観検査の実施は欠かせません。

コストパフォーマンスの高さを保ったうえで、どれだけ精度の高い外観検査を実施できるかど伺、企業にとっては優位性を保つ重要な要素になると言えるでしょう。

ここからは、高精度な外観検査を実施するために必要な手法について見ていきます。

画像処理による外観検査

近年、外観検査において注目を集めているのが、画像処理による外観検査です。

画像処理によって外観検査を実施すれば、制作段階から形状や色、位置ずれなどを細かくチェックしたうえで、品質の良し悪しを判定することが可能になります。カメラで撮影した画像を指標とし、そこからデータ処理を行っていくという仕組みになります。

外観検査の精度を高めていくためには、画像処理によって効率的かつスピーディーにデータとの整合性を調べていくことが重要です。画像データのチェックなら、外観検査のコスト削減にもつながるでしょう。

システム導入による外観検査自動化のメリット

外観検査の業務を効率化する際にポイントとなるのは、やはり「検査の自動化」です。近年は、検査機の導入によって外観検査を自動化させている企業も少なくありません。今まさに自動化を検討している企業も多いでしょう。

最後に、自動化によって得られるメリットについて具体的に考えていきます。

生産効率を落とさずに検査可能

外観検査を自動的に行える仕組みを整備すれば、生産効率を落とさずに検査を実施していくことが可能になります。

目視で数多くの検査項目をチェックしなければならない場合、そのためにかかる人件費や時間の比重は大きくなります。しかし、自動化すれば、システムによってオートで検査を実施できるようになるでしょう。そのため、項目が多くても人員を増やすなどの対応を取る必要はなくなります。

また、目視でチェックを行う場合は、どうしても制作作業を止めたうえでオフライン検査が必要となります。しかし画像処理を使えば、インラインでの検査が可能になり、傷や凹凸の有無なども正確に見極めることができます。

このように、生産効率アップには「インライン検査可能なシステムを導入すること」が必須となるでしょう。

判別精度が高い

システム導入によって、あらかじめ登録された画像データを基に、外観検査を自動化することが可能になります。

自動化は目視でのチェックにならない分、判別精度について不安を覚える人もいるでしょう。しかし画像処理による外観検査なら、判別精度が高く、判定にばらつきが生じづらいのです。逆に、目視でチェックを行うと、検査員の主観的判断が入ってしまうこともあります。結果として検査員によって合否判定の基準が変わってしまい、不良品流出につながるリスクも高まります。

画像処理の場合は機械的に判定を行えるため、このようなばらつきを抑えられるのが利点となります。近年は画像処理技術の進歩が著しく、異物や傷のチェックについても精度が高いことは、もちろん重要なメリットです。

コスト削減

外観検査を行う際に、検査機などのシステム導入を実施すれば、検査の一つ一つの工程が自動化されるため、あらゆるコストの削減につながります。業務効率化を図ったうえで無駄なコストを削減していきたいときは、ものづくりにおける外観検査の自動化を検討することが大切です。

自動化が実現すれば、各検査工程に関わる検査員を大幅に減らすことが可能となります。当然ながらシステムを導入する際には、初期コストは大きくかかります。しかし、長い目で見れば、結果として人件費削減につながるでしょう。

また、従来のようにたくさんの検査員を配置しなくて済む場合は、その分、人員を別の部門に配置することで、売上向上につなげていける可能性も生まれます。あらゆる無駄が撤廃されるため、外観検査によって多くのコストがかかっている場合は、自動化を積極的に検討するべきと言えるでしょう。

まとめ

制品・部品の品質を保ち、不良品の流出を防ぐためには、外観検査の精度を上げていくことが求められます。

しかし、精度を上げようとして多くの人員にたくさんの時間を割くことは効率的とは言えません。そのため、外観検査の業務を最適化するにあたっては、システムによる自動化を検討することが重要です。

特に高精度な合否判定で検査を実施していくためには、高性能なシステムの導入は欠かせません。画像データ処理によって、外観検査の自動化が叶えば、コスト削減やdm業務環境の整備が可能となります。自社にフィットするシステム導入を検討しましょう。


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