ワークスタイル変革とIT活用

 2017.07.14  BizApp チャンネル編集部

“ワークスタイル変革”という言葉を聞くようになってから久しく、現代企業の多くが、経営課題として積極的に取り上げています。リモートワーク、副業推進、フレックスタイム制、ダイバーシティなど、様々なワークスタイル変革が存在しています。

また、政府・官公庁も“働き方改革”と称してこれを推進する動きがあり、日本経済界全体が、ワークスタイル変革に注目している状況です。

実際にワークスタイル変革を実践している企業は、年々増え続けており企業全体の約2割にまで浸透してきているという報告があります。JUAS(一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会)が実施した「企業IT動向調査2017」によると、ワークスタイル変革を実施している企業は全体の20.4%と、注目されていることが伺えます。また、2014年度のワークスタイル実施率を見ると12.3%であり、ここ3年での伸び率は60%と大幅に伸長しています。

引用:企業IT動向調査報告書2015

この数値を低いと見るか高いと見るかは、判断が難しいところではありますが、プロジェクトの難しさを考慮すると社会全体の流れとしては大きく変革を遂げているのではないでしょうか。

ワークスタイル変革に山積みの課題!?

ワークスタイル変革を実施することで得られるメリットが多い反面、課題も多く残されています。これら課題に対してしっかりと対応していくことの難しさに企業はチャレンジしています。

例えばBYOD(Bring Your Own Device私物デバイス持ち込み)を実施したい場合、私物デバイスを統合管理するための環境や、セキュリティ対策の強化が必要です。また、通話料や通信費の費用申請フローを整備するなどIT面以外の制度面にも影響を及ぼします。業務上どこまでの使用を許可するかなど、難しい課題が多いのも事実です。

また、普段、社内で実施されていた何気ない業務の多くがオンプレミスのソフトウェアを活用している場合には社外アクセスの仕組み仕掛けが必要になってきます。

大企業になると業務で活用しているアプリケーションの数は数百を越えるとも言われており、どのアプリケーションを社外からアクセスさせて良いのかなど方針策定に加えてアプリケーションの改変やクラウド化などの対応が必要になります。

ワークスタイル変革プロジェクトの難しさは、会社全体で取り組むプロジェクトでありステークホルダーの多さ、影響範囲の多さにあると言っても過言ではないのです。

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ワークスタイル変革のための4つの要素

ワークスタイル変革を実施するためは4つの要素が大切だと言われています。

その要素とは「組織構造」、「人材」、「インフラ」、「制度」です。

つまり組織構造を理解した上で最適なワークスタイル変革案を打ち出し、そこに人材を投入する、インフラを整え、制度を整備することでスムーズな改革を促す。これがワークスタイル変革を成功させるためのポイントです。

しかし多くの企業が、いずれか一つにしか着目せず、ワークスタイル変革に取り組んでいます。

「時短勤務制度を作った(制度)」や「作業効率向上のためにクラウドサービスを取り入れた(インフラ)」など、一つのポイントにのみ着目して実施するワークスタイル変革が、果たして成功と言えるのでしょうか。ここで考えなければならないのが、これで本当に働き方が変わるのかということです。

ワークスタイル変革はそもそも、新たな働き方を提供することで作業効率を向上させたり、企業利益の拡大を狙ったり、離職率低下などのために行うものです。

時短勤務制度を作ったからといって、必ずしもそれが離職率低下に繋がるわけではありません。時短勤務という制度を作った上で、どのように離職率を低下させていくのかという、ワークスタイル変革案を打ち出さなければなりません。

また、クラウドサービスを導入しても、それを利用する制度を整えなければ、作業効率は向上してもセキュリティが低下してしまいます。

一つのポイントのみに着目して実施したワークスタイル変革は、効果が薄かったり他の領域にしわ寄せが生じたり、多くの問題を生んでしまうのです。

ワークスタイル変革の理想と現実の乖離(かいり)

国を挙げて推進しているワークスタイル変革ですが、実際問題として理想ばかりが先走っている傾向にあります。「BYODを導入すれば作業効率がアップする」、「フレックスタイム制を導入すれば離職率が下がる」など、世間一般のイメージが強すぎて、それぞれのワークスタイルに対して十分な理解がないまま、取り組みに走っている企業が少なくありません。

ちなみに正しいワークスタイル変革を実施するためには、次のような5つのハードル(課題)が存在します。

  1. ワークスタイル変革に関する風評やキーワードのみが先行し、自社にフィットする改革案がイメージできない
  2. 何をもってワークスタイル変革を“成功”とするのか決めなければならない
  3. “成功”を判断するためのワークスタイル変革をプロジェクト化し評価しなければならない
  4. ワークスタイル変革の“肝”を理解し、プロジェクトを推進する適任者が存在しない
  5. 総務、人事、情報システム、経理、営業などの関連部門の理解・協力が必要になる

ワークスタイル変革への注目度が高まってから、他社のワークスタイル変革に敏感な方が増えています。「A社は〇〇という制度を導入したらしい」「B社ではリモートワークを推進しているようだ」などなど、他社の改革には敏感でも、一度自社のワークスタイル変革について考えると、頭が真っ白になってしまうというのです。

もっと問題なのが、成功の定義を決めないままワークスタイル変革を実施する場合です。これでは何のためのワークスタイル変革なのかかなり不透明なので、その改革は必ず失敗します。

また、ワークスタイル変革を実施するめにはプロジェクト化と、それそ推進する適任者が必要です。しかしほとんどの場合、ワークスタイル変革の何たるかを深く理解し、プロジェクトを推進する適任者がいません。

最後に、改革には関連部門の理解と協力が必要です。しかし、協力を得られたとしても、関係者との計画調整が難しいという課題があります。

ワークススタイル改革にIT活用を

多くのメリットがあり、同時に多くの課題があるワークスタイル変革。

実現するためには、やはりIT活用が欠かせません。ワークスタイル変革を実施するということは、今までの業務プロセスが変化するということでもあります。

フレックスタイム制なら従業員が自分で勤務時間をコントロールできるので、例えばBさんの承認を得たいAさんは、勤務時間がズレていることで次の日まで待たなければならなかったり、ビジネスの鈍化というリスクがあります。

この場合、AさんとBさんの勤務時間をズレていても、迅速に承認フローを回すためのシステムが必要です。このように、ワークスタイル変革では必ずしもメリットばかりをもたらしてくれるわけではありません。

改革に応じて発生する問題もあるので、これをITによって解決しなければならないのです。

まとめ

ワークスタイル変革は簡単ではありません。しかし、実現した場合の効果は計り知れないものになるでしょう。自由な働き方ができることによる満足度向上、生産性向上、そして優秀な人材の確保。それらの個々人の社員のメリットが大きくなって企業競争力を生み出します。

先に紹介した4つのポイントとIT活用を取り入れて、効率良くワークスタイル変革を実施することをお勧めいたします。

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