3分でわかる働き方改革とは?その定義や背景、課題について

 2020.01.22  BizApp チャンネル編集部

政府が掲げる「働き方改革」とは何なのか?2019年4月より働き方改革関連法案が施行されたことで大きな話題になり、その概要を知らない人はいないほどです。しかし、具体的になにをもって働き方改革なのか、というのをまだ理解していない人は多いでしょう。本記事では、政府が掲げる「働き方改革」とは何なのか?何のためにあるのか?など、気になる疑問を解消していきます。

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「働き方改革」とは?

政府は「働き方改革」についてどう説明しているのか?まずは、首相官邸ホームページに記載されている「働き方改革」の概要を以下に引用します。

働き方改革は、一億総活躍社会実現に向けた最大のチャレンジ。多様な働き方を可能とするとともに、中間層の厚みを増しつつ、格差の固定化を回避し、成長と分配の好循環を実現するため、働く人の立場・視点で取り組んでいきます。”

引用:首相官邸ホームページ『働き方改革の実現

ここでは「一億総活躍社会実現に向けた最大のチャレンジ」と説明していますが、「一億総活躍社会」とは何なのか?再度、首相官邸ホームページより引用します。

  • 若者も高齢者も、女性も男性も、障害や難病のある方々も、一度失敗を経験した人も、みんなが包摂され活躍できる社会
  • 一人ひとりが、個性と多様性を尊重され、家庭で、地域で、職場で、それぞれの希望がかない、それぞれの能力を発揮でき、それぞれが生きがいを感じることができる社会
  • 強い経済の実現に向けた取組を通じて得られる成長の果実によって、子育て支援や社会保障の基盤を強化し、それが更に経済を強くするという『成長と分配の好循環』を生み出していく新たな経済社会システム“

引用:首相官邸ホームページ『一億総活躍社会の実現

基幹システムに関するお役立ち資料

2015年時点での日本の総人口数は1億2,709万人であるのに対し、2040年には1億1,092万人に減少し、2053年はいよいよ1億人を割って9,924万人になります。さらに、2065年には8,808万人になるものと推計されており、日本の人口減少問題は加速しています。

出典:国立社会保障・人口問題研究所『日本の将来推計人口(平成 29 年推計)

こうした状況の中、日本では今後労働力不足問題に悩まされることになるとされています。そのため、老若男女、障がいの有無にかかわらず誰もが活躍できる社会を実現するために「働き方改革」が推進されており、これを50年先も人口1億人を維持し職場・家庭・地域で誰もが活躍できる社会に向けた「一億総活躍社会」の柱となっているのです。

「働き方改革」の障壁となる3つの課題

政府は「働き方改革」を実現するにあたり、大きな3つの課題があることを認識しています。それが「長時間労働の是正」「正規・非正規雇用の格差解消」「労働人口不足問題の解消」です。

長時間労働の是正

数年前に、日本企業の長時間労働が国際的な問題として取り上げられたことをご存じでしょうか?2013年5月、国連は日本政府に対して長時間労働や過労死の実態に懸念を示した上で、防止対策の強化を求める勧告を行っています。国連の関連委員会が過労死問題に踏み込んだ勧告を日本に出したのは初めてであり、法的拘束力はないものの対策の実施状況について定期的な報告が求められていました。

「過労死(KAROSHI)」は今や世界共通語と言ってよいほど海外でもポピュラーな言葉になっており、英和辞典にも記載されています。労基法では過度な時間外労働を禁止していたにもかかわらず。労使協定(36協定)を届けることで現実には時間外労働が青天井だったことが大きな原因でした。

この実態を打破するためには、働き方改革関連法案では「時間外労働の上限規制」を設け、違反した場合の具体的な罰則も用意しています。2019年4月からは大企業に、2020年4月からは中小企業に適用されることで、あわてて対策と取っている企業も多いのではないでしょうか。

正規・非正規雇用の格差解消

正規雇用と非正規雇用の格差について、「非正規なのだからしょうがない」という考え方もあります。しかしながら、日本の非正規雇用社員の待遇は時給換算賃金にして正規雇用社員の約6割にとどまります。欧州諸国では8割ほどの待遇であることから、日本の正規雇用と非正規雇用の格差は大きいと言えます。

この状況が起こす問題は、育児や介護などを抱えている人材が正社員のような「制限がない働き方」を選択することができず、非正規雇用社員として働くこと以外に選択肢がないため生産性を発揮する機会を失っていることです。

しかも、非正規雇用社員として働いている労働人口は全体の約4割を占めることから、正規雇用と非正規雇用の格差を解消することが日本経済全体にとって生産性を大きく伸ばす要因になると考えられています。

その具体策として働き方改革関連法案に盛り込まれたのが「同一労働同一賃金」です。2020年4月から大企業に適用され、2021年4月から中小企業に適用されるこの法案は正規雇用社員と非正規雇用社員の間にある不条理な待遇差を解消するために、非正規雇用社員への説明義務強化などさまざまな具体策が用意されています。

労働人口不足問題の解消

労働人口不足問題の解消こそが、「働き方改革」が実現したい最大のチャレンジだと言えます。前述のように日本の総人口数は減少傾向にありますし、今後は労働人口も減少していくため、日本の労働力は低下するばかりです。

そうした状況の中で、「長時間労働の是正」や「同一労働同一賃金」、この他さまざまな施策を講じることによって、総人口数が減少しても国民全員が活躍できる場所を提供し、日本経済全体の生産性を上げていかなければなりません。

また、高齢者の活躍にも期待が集まっています。日本各地にシルバー人材センターが設置され、街では多くの「シルバーさん」が働く姿を見かけるようになりました。シルバー人材センターは社会への再参画を促し労働人口不足問題に対応すると共に、高齢者の活力となるようなコミュニティややりがいを与えることで、高齢者も元気な社会づくりに貢献しています。

政府が掲げる「働き方改革」について知ろう

「働き方改革」と聞くと、有給休暇取得促進は「NO残業Day」などの施策がぱっと思いつく方も多いでしょう。しかし、政府が掲げる「働き方改革」とは日本が抱える諸問題を解消するための施策であり、企業はそのことを理解しながら、独自に取り組む「働き方改革」が如何に社会に貢献するか?を考えながら「働き方改革」へ取り組んでいく必要があるでしょう。

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